獣医師が解説するフレンチブルドッグにかかりやすい病気 Vol.1


軟口蓋過長症

犬で見られる最も一般的な咽頭疾患の一つです。
特に、フレンチブルドッグのような短頭種犬種や肥満犬では高い確率でおこるので、注意が必要です。

病気の定義

人間で一般的に「のどちんこ」にあたる軟口蓋といわれる部位が異常に長くなってしまうことによって、上部気道の空気の流れが遮断され、呼吸状態を悪くさせてしまう疾患です。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • いびきがひどい
  • 呼吸しているときにゼロゼロと音がきこえる
  • 特に興奮するとゼロゼロ音がひどくきこえる
  • 呼吸時にお腹が大きく上下する
  • 興奮すると舌の色が紫色になることがある

診断

一般的に問診と診察時の呼吸様式の確認により、診断されます。

治療

軟口蓋が、どの程度の過長かによって、治療が変わってきます。
いびきのみで、日常の生活にまったく差し障りがないようであれば、体重管理のみで様子をみることもあります。
ただ、ひどい過長になるといわゆる窒息状態になり命の危険がおこる可能性もありますので、重症例では、早めに外科的処置(軟口蓋の切除術)が必要になります。

気管形成不全

フレンチブルドッグのような短頭種犬種で多く見られる疾患です。

病気の定義

気管が先天的にしっかりと形成されておらず、正常と比べて気管径が小さい疾患です。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • 呼吸がすぐ荒くなる
  • 興奮すると舌の色が紫色になることがある
  • 呼吸時にお腹が大きく上下する

診断

一般的に問診と診察時の呼吸様式の確認、胸部レントゲン検査で診断されます。
場合によっては、気管内視鏡検査が実施されます。

治療

一般的に生活上の指導や、症状に応じては、内科的治療がおこなわれます。
また上記した軟口蓋過長症や鼻腔狭窄症と合併していることも少なくないので、症状がひどい場合は、そちらの処置を併せておこないます。

短頭種気道症候群

実は、上記にあげた軟口蓋過長症、外鼻孔狭窄症、気管不全症をあわせて、短頭種気道症候群とよばれます。
これらは全て、フレンチブルドッグなどの短頭種で頻繁に認められるものですが、症状によっては早急な対応が必要になることもありますので、一度獣医師に相談してみて下さい。

また、これらの問題によって、熱中症の事故も他の犬種よりおこす危険性が高いので、日頃から生活上の注意が必要になります。
体重管理も大切ですので、気をつけてあげて下さい。