獣医師が解説するフレンチブルドッグにかかりやすい病気 Vol.6


外耳炎

フレンチブルドッグは、耳が立っている犬種で、耳の中に毛もさほど多くありませんが、外耳炎が多くみられる犬種です。
これは、体質的に耳の中がオイリーなことが一因していると考えられています。

病気の定義

急性または慢性の外耳道上皮の炎症を主徴とする疾患です。
特に耳の構造上、通気性の悪い耳であった場合や、また立ち耳でもフレンチブルドッグのように体質的に外耳炎をおこしやすいこともあります。
またアレルギー疾患のⅠ型としてもおこすことが知られています。
原因として、外耳道に蓄積した耳垢に細菌や酵母が繁殖し耳道粘膜に感染が成立したもの、異物によるもの、耳疥癬などの寄生虫感染によるものなどが挙げられます。
また、飼い主の誤った耳掃除でおこしてしまうこともよくあります。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • よく耳を振る
  • 足を使って、よく耳をかく
  • 耳が赤い
  • 耳がくさい
  • 頭をさわろうとするといやがる、痛い様子

診断

一般的に、問診と耳鏡を使った視診、および耳垢の鏡検などにより診断されます。

治療

原因に応じて、治療も異なりますが、一般的に、蓄積した耳垢はきれいに洗浄して取り除きます。
ただし、炎症がひどく、痛みが強い場合は、この処置が非常にストレスになることもありますので、点耳薬や内服で炎症を抑えてから処置を考慮することもあります。

ポイント

フレンチブルドッグのように、外耳炎になりやすく、症状を繰り返していくと、外耳道が細く狭窄していき、外耳炎をさらにおこしやすく、悪循環になることも多くみられます。
放置してしまうと、中耳炎、内耳炎に進行し、最悪の場合、脳に炎症が波及することもありますので、初期の段階で、動物病院に連れて行き、適切な処置をしてもらいましょう。

膿皮症

フレンチブルドッグは、皮膚のトラブルを起こすことが多い犬種の一つですが、中でもこれからの季節気をつけたいのが、膿皮症という皮膚病です。

病気の定義

膿皮症とは、細菌感染が原因でおこる皮膚炎で、犬では、S.intermediusという細菌が原因で起こすことが多いと知られています。
細かく分けると、細菌がどこまで到達しているかにより、表面性、浅在性、深在性に区分されます。
深在性膿皮症の場合は、より治療に時間を要します。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • 体をかゆがる
  • 体に赤いぼつぼつがみられる
  • 毛並みがスムーズでなく、ぼこぼこと浮き立って見える箇所がある
  • ふけがでる
  • 脱毛がみられる
  • 足が麻痺して動かない、立てない

診断

・身体検査:皮疹の様子をチェック。

・皮膚検査:皮表の細胞診や細菌培養検査。
ただし、膿皮症の起因菌は健常犬からも分離されるので、評価には注意を要します。

治療

・シャンプー療法:膿皮症に有効とされる薬用シャンプー(2%酢酸クロルヘキシジンシャンプーなど)を用いて、適切な方法にてのシャンプーを行います。
症状により、部分シャンプー、全身シャンプーが選択され、またシャンプーの間隔も皮膚の様子次第で決定されます。

・抗生剤の投与:一般的には、S.intermediusをターゲットにした抗生剤が選択されます。
最近は、耐性菌の問題も取り上げられていますので、治療に反応のない場合は、細菌培養をおこない、再度抗生剤を選択する必要があります。

ポイント

フレンチブルドッグは、体質的にべたべたした皮膚の個体が多く、それにより膿皮症などの皮膚疾患も起こしやすいと考えられますが、何度も繰り返す場合は、バックグランドとしての原因に内分泌疾患やアトピーなど、ほかの病気が潜んでいることもありますので、チェックが必要です。
もともと、べたべた皮膚体質の場合は、ご自宅で、定期的にシャンプーをしてあげることで、膿皮症を防ぐこともありますので、日常のケアを心がけてあげましょう。