獣医師が解説するノミアレルギー性皮膚炎 


好発犬種

ノミアレルギー性皮膚炎は、特にどの犬種がかかりやすいということはありません。
ちなみに、猫でもみられる疾患です。
年齢的に、アレルギーが成立するまでに複数年は要するため、3〜6歳齢以降の夏から初冬にかけて発症悪化がみられることが多いです。

病気の定義

ノミアレルギー性皮膚炎の定義は、ノミやノミの糞の証明に関わらず、ノミの唾液中の抗原に対する過敏反応です。
混同しがちなのが、ただノミに刺された限局的な皮膚病もノミアレルギー性皮膚炎と考えがちですが、これはノミ刺症であって、ノミアレルギー性皮膚炎とは呼びません。

また、ノミアレルギー性皮膚炎は、ほんの一匹のノミに刺されただけでも非常に痒みを起こすので、ノミがペットに見つからないからといって、この病気を否定することは出来ません。

症状

症状としては、非常に強い全身的なかゆみがあげられ、おうちで四六時中ぼりぼりと体を痒がっているといった場合は、注意が必要です。
特に腰から下にかけての後躯の痒みが強く認められることが多いです。

初期には、特にこれといった皮膚病変なく痒みのみ認められますが、慢性化した場合、頸部や腰、尾にかけての脱毛や、かきむしりによる外傷やぼつぼつとした丘疹、ぼこぼことした結節などがみられます。

診断

  • 問診:ノミ予防駆除歴などを聴取する。
  • 身体検査:症状、部位などをチェックする。
  • アレルギー検査:血清アレルゲン特異的IgE抗体測定

血清アレルゲン特異的IgE抗体測定の結果が確定診断になりますが、その他の所見でノミアレルギー性皮膚炎が疑われる場合は、この検査の結果を待たずに治療に取りかかります。

治療

ノミの予防駆除とともに、アレルギー炎症に対する全身療法を行います。
ノミが大量に発生している場合は、ペットのノミ駆除だけにとどまらず、環境中のダニ駆除も徹底して行う必要があります。

アレルギー炎症に対する治療としては、症状の程度によりますが、ステロイドなどの抗炎症剤の使用、また膿皮症といった細菌感染が合併している場合は抗生剤の投与も同時に行っていきます。
状態によりシャンプー療法も取り入れていくことが多いです。

まとめ

ノミアレルギー性皮膚炎は、非常に痒みがつよく、愛犬の生活の質を著しく落としてしまう病気の一つです。
ノミは、皮膚疾患の他にも瓜実条虫症といった病気も引き起こしますし、人間も刺しますので、家族ぐるみで大変なことになってしまうことがあります。

また、ノミは一度大量発生すると駆除が非常に大変ですので、そうなる前に、定期的な愛犬のノミ予防駆除をしていきましょう。
これからの季節は、特にノミが増えやすいので、注意が必要です。