北海道犬の基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介

北海道犬の基本情報

  • 体重:15~30kg(中型犬)

  • 体高:オス:48.5~51.5cm メス:45.5~48.5cm

  • 特徴:筋肉の発達した強靭で均整のとれた体躯。
    飼い主には忠実だが、他者に対しては非常に警戒心が強い。
    野生の本能が濃く残っており時には攻撃的になる性質を持っている。

  • 耳・尾:三角の立ち耳・立ち巻尾(スピッツタイプ)

北海道犬は天然記念物!

北海道犬は縄文時代に本州から北海道へ、縄文人と一緒に連れてこられたマタギ犬が祖先だといわれています。
北海道の厳寒や豪雪に耐えることのできる強靭な体と、持久力を持っています。

アイヌ人がエゾヒグマやエゾシカを狩るための獣猟用として飼っていたため別名「アイヌ犬」と呼ばれていました。
1937年天然記念物に指定されてから、「北海道犬(ほっかいどういぬ)」と定められました。

天然記念物の日本犬は各自治体によって管理されています。
北海道犬は北海道教育委員会が管理しています。
今は獣猟犬として飼われることは少なく、主にドックショーの競技犬や家庭犬として飼われることが多くなりました。

北海道犬には保存会がある

北海道犬の保存のために、下記の3つの保存会があり、登録やドックショーを開催しています。
犬質保存・資質向上・原姿保存のため標準体型を定めており、人為的改良を厳しく禁止しています。

  • 社団法人天然記念物北海道犬保存会

  • 日本ケンネルクラブ(天然記念物北海道犬登録協会)

  • 天然記念物北海道犬協会

北海道犬の歴史

北海道犬は縄文時代からいた!

北海道犬は純粋な日本犬です。
日本犬には6種ありますが、共に巻尾・三角立ち耳・ダブルコート・猟犬という共通点を持っています。
長い歴史的時間を経て、人の移動により各地に定着し、交配・繁殖を繰り返しそれぞれの純血種となりました。

北海道犬の歴史は古く、祖先は縄文時代に縄文人が東北から北海道に渡ったときに連れてこられた日本犬です。
北海道という遠隔地のため、本州犬との交配がなく北海道犬そのものの純血種が保持できる環境にありました。

北海道犬はアイヌ人の相棒だった

北海道に渡ったあとは、アイヌ民族に長く獣猟犬として飼われていたのでアイヌ犬と呼ばれ、アイヌ語では北海道犬のことを「セタ」といいます。

アイヌ民族はエゾヒグマやエゾジカなど大型獣の狩猟を主としており、その中でも特に獰猛なエゾヒグマの猟には、気性の強い猟犬が必要とされました。

また、北海道の厳しい寒さや豪雪に耐えることのできる被毛と強靭な体を持つ犬だけが生き残り、現在の北海道犬が生まれたといわれています。

北海道犬は中型犬ですが、複数でヒグマやエゾジカに襲いかかり、猟師が仕留めるまで噛み付いて離さないたくましく勇敢な犬です。
そのため、非常に気性の激しい一面をもっており、飼い主への完全服従のしつけは必須だといわれています。

北海道犬の特徴

北海道犬の被毛について

北海道犬の被毛は厚いダブルコートで、表毛は固く下毛は柔らかです。
この被毛は耐寒性に優れており、雪の中でも眠ることができます。

毛色はレッド・ホワイト・ブラック・狼灰色・胡麻色・トラ毛などがあります。
多くはレッドかホワイトで、その他は少なく狼灰色やトラ毛はほとんど存在しません。

意外に優しい?北海道犬の顔は柴犬にそっくり!

精悍な性格とはうらはらに、少し三角形の小さな吊り目が可愛い、穏やかな顔付きをしています。

柴犬とは体型的には大きな違い(柴犬のほうがかなり小さい)がありますが、顔だけ見ていると柴犬とそっくりなので、よく間違えられることがあります。

北海道犬の体型は?

猟犬として野山を駆け巡る足は強く発達した筋肉を持っており、前足は特に太く強靭です。
頑丈で引き締まった体躯をしています。
体長はオスよりもメスのほうが長いという特徴があります。

耳は三角の厚い立ち耳で、丈夫な歯をもっています。
またほとんどの北海道犬には舌に黒い斑点(舌班)があります。

尾は太く左右どちらかに巻いた巻尾ですが、一部には真っ直ぐに立つ差し尾とよばれるものもあります。

北海道犬の性格・気質

北海道犬は勇敢で忍耐強い獣猟犬

厳しい厳寒の地北海道で長い間アイヌ民族に寄り添って生きてきた北海道犬は、忍耐強く丈夫で飼い主には忠実な猟犬です。

猛獣にも立ち向かっていく大胆で勇敢な性格を持ち、自己主張もはっきりとしているため、頑固で気難しいところがあります。
飼い主には絶対に忠実ですが、飼い主以外には興味を示さず、警戒心も強いので他の人や犬との協調性には欠けるところがあります。

北海道犬は怖いもの知らずの勝手犬!

北海道犬は子犬の時期を除き、リードを手放すと呼び戻しができないため勝手犬と呼ばれています。
これはしつけができていないということではなく、北海道犬の持つ本能です。

北海道犬は外界の刺激にとても敏感に反応します。
獣猟犬のため走るものを追いかけて捕まえるという特質をもっているためです。
動くものが車でも子供でも、吠えて飛びかかり、時には噛み付くこともあります。
交通事故や特に子供への危害には十分注意する必要があります。

また北海道犬は興奮する遺伝子を持っているといわれており、遊びでも興奮すると噛み付く場合もありますので気をつけましょう。

北海道犬が甘えん坊って本当?

見知らぬ人には警戒心を持ち、少し近寄りがたいところのある北海道犬ですが、長くアイヌの人達と苦楽を共にして生きてきたため、信頼する飼い主にはとても甘えん坊な一面をみせます。
ひたすら飼い主を慕うその姿は多くの愛好家達を惹きつけます。

北海道犬の飼い方・しつけ

北海道犬には徹底した訓練としつけを!

北海道犬はどこにでもいる愛玩犬ではありせん。
今では獣猟犬として飼われることはあまりありませんが、その性質や気質はそのまま残っています。
初めて犬を飼う人にはあまり向かない犬種といえるでしょう。

北海道犬にはしっかりとした訓練としつけが必須です。

その中でも特に大切なのが主従関係の徹底です。
日本犬は一代一主の犬だといわれています。
北海道犬も同様に、子犬のころからきっちりとした服従関係をつくる必要があります。

特に家庭犬として迎えるためには、飼い主との確かな信頼による主従関係ができた上で、早い時期からできるだけ多くの犬や人に触れさせ、しっかりとした社会性を身につけさせましょう。

北海道犬は散歩だけではダメ!

北海道犬を一日中室内だけで飼うことはできません。
広い庭やサークルを駆け回ることができる環境なら可能ですが、散歩程度の運動量ではとても足りません。
北海道犬の強靭なパワーを満足させるには、屋外での相当な量の運動が必要です。

運動ができないとストレスを発散するために人を咬むという行為につながることもありますので注意が必要です。

ドッグランを利用するときは他犬と一緒にするのは避けましょう。
北海道犬がドッグランで他犬と仲良く遊ぶというようなことはまずあり得ません。
黙って突然近づき咬みつきます。

見知らぬ動くものに咬みつくのは獣猟犬であった北海道犬の本能です。
人や他犬がいない場所以外でのノーリードや手放しは厳禁です。

食事は日本犬らしく魚が好き?

極寒の地で限られた食料の中、粗食で生き抜いてきたと思われる北海道犬は、好き嫌いなく何でも食べますが、運動量に適した量を栄養のバランスよく与えましょう。
日本で進化してきた犬ですから、ニボシなどの魚を中心にした食事を好みます。

水をたくさん飲む犬種ですので、常にバケツ一杯ほどの新鮮な水をたっぷり用意してやりましょう。

北海道犬のお手入れ

短毛のためトリミングは必要ありません。
被毛は厚い二重構造のダブルコートです。

春から夏にかけての換毛期には大量の下毛が抜けます。
スリッカーブラシやコームを使って丁寧に抜け毛をとってやる必要があります。

運動量の多い犬種ですから汚れも付きやすいので、シャンプーはこまめにしてやりましょう。
短毛ですが被毛に厚みがあるので、シャンプーの後は根元までドライヤーでしっかり乾かしてやることが大切です。

北海道犬の歯磨きについて

北海道犬の歯磨きについては、どれだけ飼い主に忠実か、主従関係がしっかりと確立できているかによって決まってきます。

そもそもどんな犬でもマズルを触られることを好みません。
愛玩犬であっても、口を触ることや、手で口を開けるさせてくれるようになるには時間がかかります。

まして、獣猟犬である北海道犬は自分が主人であると認めた飼い主にしかこころを許しませんし、気安く触らせたりしてくれません。

無理やりな歯磨きは噛み付かれる危険性がありますので絶対にしてはいけません。
まずは信頼関係を築いて、少しずつ口に触れることに慣れさせることから始めましょう。

北海道犬の注意する病気

北海道犬は北海道の極寒にも耐えられる、頑丈で丈夫な体を持った犬です。
北海道犬に特有な疾病というものは特にありませんが、飼育していく上で注意しておかなければならないことをいくつかご紹介します。

北海道犬の注意する病気 その① 熱中症

寒い地域で暮らしていたため暑さには弱く、北海道以南で飼育する場合は室温コントロールが重要になってきます。
特に熱中症には気をつける必要があります。

散歩や運動中は保冷効果のある服を着せるなどして体温調節をしてやりましょう。

北海道犬の注意する病気 その② 皮膚病・アレルギー性皮膚炎

日本犬に多いアレルギー性皮膚炎やその他の皮膚病にもなりやすいので、常に被毛は清潔にし、抜け毛のケアは欠かさずに行いましょう。
体を掻いたり舐めたり、脱毛や皮膚に発疹やただれが見られるときはすぐに獣医師の診察を受けましょう。

北海道犬の注意する病気 その③ 白内障

また、老犬になってくると白内障や緑内障に罹る率も高くなってきます。
盲目になる原因の最も多いのが白内障で、老齢性白内障は8~10歳以上の犬に多く見られます。

薬物療法としては点眼薬で進行を遅らせる方法があります。
外科治療としては、半年以内であれば手術も可能な場合もありますが、それ以降ではあまり顕著な効果は見られません。
どちらにしても治療方法は獣医師とよく相談して決めましょう。

 

北海道犬こぼれ話

北海道犬は3つの保存会で登録を受け付けていますが、日本での北海道犬の登録数は子犬から老犬を含めても7000頭位しかなく、毎年の出産頭数も600頭程度の希少犬種です。
3つの保存会では北海道犬の保存と普及のため、北海道犬ならではの独特なドックショーや獣猟競技会を開催しています。

ドックショー(展覧会)

年齢・性別ごとに分かれて、どれだけより北海道犬の標準特徴に近いかを審査する展覧会です。
審査員の指示により、円を作ったハンドラーと犬が並足・早足を繰り返し、狩猟性の基礎や姿勢、歩き方やスタイル、筋肉や脚筋の発達状態などを競います。
優秀な北海道犬のハンドラーはかなりの運動量を必要とします。

獣猟競技会

北海道犬の獣猟犬としての特質や性質を審査する競技会です。

檻に入れられたクマと北海道犬を向き合わせ、クマに向かっていく姿勢や闘争能力を審査します。
前足の踏み込み方や、向かっていく姿勢、吠え方など獣猟犬としての能力の高さを競います。

ドックショーや競技会の目的は北海道犬の個性や資質の保持・向上にあります。
そのため出場するハンドラーは、北海道犬が持つ狩猟本能や闘争心を失わせないように、お手やおすわりなどの家庭犬としてのしつけをしないのだそうです。

最後に

北海道犬ついてさまざまなことを知っていただけたでしょうか。
あのCMのひょうきんなお父さん犬とはかけ離れた北海道犬の姿に少し驚かれたかもしれません。

北海道犬は数ある犬種の中でも過度な交配のない限りなく原種に近い犬です。
中型犬で、一見穏やかに見えますが、獣猟犬の資質を強く持っています。

気軽に飼える犬ではありませんが、北海道犬についての深い知識と適した環境があれば、そのずば抜けた身体能力と優秀な知能を上手く引き出してやることができます。

主人にはどこまでも忠実で、主人への強い忠誠心を持つ北海道犬は、あなたにとって生涯の素晴らしい相棒になってくれることでしょう。