犬のしっぽでわかる愛犬の感情表現!


犬のしっぽの役割

ほとんどの哺乳類にはしっぽがあります。

人間も胎児のときにはしっぽがありますが、生まれてくるときには消滅してしまいます。

その痕跡として尾てい骨だけが残っています。

人間が二足歩行になって退化してしまったしっぽ。
四足歩行の犬にとってはどんな役割を持っているのでしょうか。

犬のしっぽはどうなっているの?

犬の背中は頚椎、胸椎、腰椎、仙椎で形成され、それらの脊椎の一部が伸びたものが尾骨(しっぽの骨)となります。

しっぽにはいくつもの尾骨が連なり、たくさんの筋肉と神経によって自由に動かすことができます。

犬のしっぽの筋肉は、一部分が壊れても別の筋肉で失われた機能を補うことができるのだそうです。

尾骨の数は6~23個と、しっぽの種類によって違ってきます。

しっぽの種類には垂れ尾、飾り尾、立ち尾、巻き尾、鎌尾、リス尾、スクリューテイル、ボブテイルなどがありそれぞれ形に違いがあります。

犬の気持ちはしっぽでわかる?

犬がさまざまな動作をすることで自分の気持ちを落ち着かせたり、他犬に対して意思表示をしたりすることをカーミングシグナルといいます。

犬がしっぽを振ったり動かしたりすることもこのひとつだといわれています。

しっぽの動きで、嬉しい・悲しい・怖い・楽しい・好き・嫌いなどいろいろな犬の気持ちを知ることができます。

犬のしっぽはお互いのコミュニケーションツール

犬はしっぽを動かして他犬に自分の気持ちを伝えたり、互いの上下関係を確認したりします。

これは野生であったころからの習性で、群れで生活するために必要な動作でした。

犬同士が挨拶をするときはお互いにしっぽを上げてお尻の匂いを嗅ぎ合います。

お尻には肛門腺がありそこから出る匂いで相手を確認しています。
犬にとってしっぽはお互いを知るための大切なコミュニケーションツールなのです。

犬のしっぽはマフラーがわり?!

犬がしっぽを丸めて眠っているのをよくみかけます。

あれは丸めたしっぽで体や顔を覆って体温が下がるのを防いでいるのです。

北海道犬や秋田犬など特に寒い地方が原産地の犬はしっぽの毛がふさふさしています。

犬は天然のマフラーを持っているのですね。

犬のしっぽは舵取りやオールになる!

犬は走るときにしっぽを自在に動かしてバランスをとります。

また走っていて急に曲がったり向きを変えたりするときは舵取りの役目をします。

犬は犬かきで泳ぎますが、水進力を高めるためにしっぽをオールのようにして水を漕いだりもします。

犬のしっぽは身を守る武器だった?

牛や馬などがしっぽを振ってハエや蚊などを追い払う仕草をしているのを見たことがありますね。

しっぽを振ることで、すぐ下にある肛門から寄生虫が侵入するのを防いでいます。

室内犬が多くなった今ではあまり見かけなくなりましたが、本来は犬にも同じような役割がありました。

犬のしっぽの振り方や位置でわかる感情表現

犬は言葉を持っていないかわりにいろいろな表現方法で感情を伝えてきます。

っぽの振り方や位置もそのひとつです。
犬はしっぽの振り方や位置でどんな気持ちを伝えようとしているのでしょうか。

しっぽで伝える愛犬からのサインをしっかり受け止め理解してあげましょう。

犬がしっぽを大きく振る時

飼い主や大好きな人などに信頼と喜びを表すときに見せます。

しっぽを立てて大きく振り、飛びついたり、顔を舐めたりします。

仲良しの犬に遊びを誘うときにも、体を低くしてしっぽを大きく振ります。
特に激しく大きく振るときは大喜びしている証拠です。

犬がしっぽを低い位置で小刻みに振る時

飼い主や見慣れた人に遊んでもらいたい時や、おはよう、こんにちわ、といった挨拶がわりの時もあります。

歓迎や嬉しさの表現です。

 

犬がしっぽを高いところで小刻みに振っている時

周りの犬や、散歩中に出会った他犬などに威嚇したり牽制したりする気持ちの表れです。

自分を優位に見せるための仕草です。

犬がしっぽを右に振っている時

左脳のポジティブな感情は右半身に現れます。
しっぽを右に振っているのは心がゆったりとリラックスして安心している状態です。
大好きな飼い主と遊んだりしているときに見られます。

犬がしっぽを左に振っている時

右脳のネガティブな感情の表れです。
初めて会う犬の前や、自分より大きな犬に出会った時など、不安で落ち着かない状態の時に見られます。

犬のしっぽが水平になっている①(リラックスした状態の時)

他犬や人が遠くに見えた時や、何か近づいてきた時などに見られます。
警戒心はなく、興味や関心が強く“何だろう?”という好奇心の表れです。

犬のしっぽが水平になっている②(緊張状態の時)

しっぽや体に力が入って緊張が見られる場合です。
他犬とおもちゃの取り合いなどで、どっちが取るかと見合っている時などに見られます。
威嚇や攻撃まではいきませんが、相手を牽制して様子見している状態です。

犬のしっぽが背中に反り返るように立っている時

背中までしっぽを反り返るように高く上げるのは自分の存在をアピールするためです。

しっぽは高く上げるほど肛門腺がよく見えます。
肛門腺には自分の存在を示す分泌腺があるので、それを他犬に見せることで自分の強さを相手に示します。

しっぽを高く上げながら、体やしっぽの毛が逆だっているときは強い威嚇の状態です。

犬同士の場合は攻撃寸前の時ですから、向きを変えるなどして乱闘になるのを防ぎましょう。

犬のしっぽを足の間にはさんでしまっている

不安と恐怖の表れです。
肛門腺を隠すことで自分の存在に気付かれたくないという意思表示です。

負けを認めたというサインですから、犬同士なら相手が攻撃せず去ってくれることもあります。
動物病院での診察や雷などの大きな音に怯えた時にも見られます。

同じようにしっぽを足の間にはさんでいても、体の毛が逆だっている場合は恐怖心が極限にきているので、手を出すと噛み付かれる恐れがありますので注意しましょう。

犬がしっぽを振りだすのはいつから?

犬はいつからしっぽを振りだすのでしょうか。

しっぽを振るのも社会化のひとつで、生後50日頃にはほとんどの子犬が母親や兄弟からしっぽを振ることを学ぶようです。
このころの生活環境が大きく影響するので、早くに母親や兄弟から引き離されると、しっぽによる感情表現が苦手な子犬になることもあるようです。

 犬のしっぽこぼれ話

断尾を知っていますか?

犬のしっぽの長さは犬種によってさまざまです。

コロンとした短いしっぽのトイプードルやコギー、ヨークシャーテリアなどは生まれつき短いわけではなく、生後間もない頃に断尾されたものです。

断尾する意味は何?

断尾は使役犬として狩猟犬や牧畜犬などが仕事をする上で、しっぽがあることで危険な目にあったり、しっぽを傷つけることがあったりしたために行われたものでした。

ほとんどの犬が愛玩犬となった今でも、その頃の姿がスタンダードになっているため断尾が続けられています。

悲しい習慣を終わらせるために…

断尾される時、子犬が痛みを感じないわけがありません。
断尾された犬は自分の感情や思いを表現することがうまくできなくなるデメリットもあります。

血統書を付けるためだけに断尾される子犬を少しでも減らすためには、飼い主が自然な姿の子犬を選ぶ必要があるのではないでしょうか。