犬と赤ちゃんが一緒に暮らすために注意すること

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犬と赤ちゃんがいる生活のメリットとデメリット

赤ちゃんまたは新しい犬を迎え入れるにあたって、本当に犬と赤ちゃんがうまく共存していけるのか?と不安な気持ちになりますよね。
家族との意見の相違や犬と赤ちゃんとの共存生活を否定されると、本当に悩みますし、困惑することも多いかと思います。

そこで犬と赤ちゃんがいる生活で考えられるメリットとデメリットについて紹介します。

犬と赤ちゃんがいる生活でのメリットとは?

メリット① 「赤ちゃんの免疫力アップに期待できる」

赤ちゃんが1歳になるまでに犬と同じ空間で生活することで、免疫システムを成熟させる効果があると言われています。

これは、生後間もないうちから犬や動物が持つ比較的弱い細菌が空気中に浮遊する環境にいることで、赤ちゃんの抗体が作られていくためだと考えられています。

喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギーなどを発症しにくくなることが分かっています。

近年では赤ちゃんを細菌に触れさせまいと気遣い過ぎて、逆に免疫力が低い子供が増えているそうです。

フィンランドの研究者が行った調査では、赤ちゃんが犬と触れあうことは健康にとても良い影響が出るとの報告もされています。

メリット② 「赤ちゃんの心の発達を助ける」

犬と触れ合うことは赤ちゃんの心の発達も助けてくれるでしょう。

犬は感情表現が豊かで愛情深い動物です。
そんな犬と触れ合うことで「感情」や「思いやり」、さらに「命の大切さ」を学ぶことができるでしょう。

玩具で遊ばせるのも良いですが、温かみを持った犬に触れて育つことで赤ちゃんも優しい子に育ってくれるかもしれません。
また、犬と人間が触れ合うことで、「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」という成分が増加するという研究結果があります。

これは人間と犬の双方に確認されていて、赤ちゃんにおいても期待できるでしょう。

メリット③ 「赤ちゃんにとって犬が兄弟になってくれる」

赤ちゃんの頃から犬と共に成長していくことで、本当の兄弟・姉妹のように、あるいは親友のような関係を築いていくことができるでしょう。

時には「ナニードッグ」として赤ちゃんの子守をしてくれたり遊び相手になってくれることもあります。

そうして過ごしていくうちに赤ちゃんと犬の間には固い絆が結ばれていくはずです。

犬と赤ちゃんがいる生活でのデメリットとは?

犬,吠える

デメリット① 「アレルギー発症のリスク」

前述のメリットでアレルギーを発症しにくいと紹介しましたが、親がアレルギーを持っている場合には例外となり、赤ちゃんもアレルギーを遺伝的に引き継いでいる可能性があります。

その場合には、アレルギーの元となる犬の抜け毛などのアレルゲンによって、赤ちゃんがアレルギーを発症してしまうリスクが高くなってしまうでしょう。

デメリット② 「感染症のリスク」

赤ちゃんは大人の持つほどの抵抗力を持っていません。
そのため、犬が感染症にかかっている場合、赤ちゃんに感染するリスクが大人よりも高くなります。

犬から人に移る感染症については、

  • サルモネラ症
  • ブルセラ症
  • 皮膚糸状菌症
  • 狂犬病
  • 回中症
  • レプトスピラ症
  • ペンツレラ症
  • オウム病
  • エキノコックス   などが挙げられます。

このうち狂犬病・レプトスピラ症は予防接種を受けることで回避することができます。

デメリット③ 「犬にとって赤ちゃんがストレスの原因になることも」

犬を飼っているご家庭に後から赤ちゃんを迎えることになった場合には、犬のストレスの原因になってしまうことがあります。

犬にとって、これまでずっと大好きな飼い主さんを独り占めできていたのが、赤ちゃんがやってくることで状況が変わってしまい、赤ちゃんに対する嫉妬心が生まれるのです。

飼い主さんとのコミュニケーションが減ることによるストレス以外にも、部屋の様子や赤ちゃんの泣き声、臭いなど、色々なことが一気に変わってしまうことからストレスを感じるケースもあるでしょう。

犬と赤ちゃんが暮らす際に注意するべきこと

それでは、赤ちゃんと犬が一緒に暮らすためにはどのような事を理解し、どのような配慮や注意が必要なのかについて詳しく見ていきましょう。

犬のしつけを十分に行う

犬と飼い主の信頼関係が構築できている、しつけが行き届いていることが赤ちゃんと犬が共に生活するための大前提になります。

元々、犬は序列を守って生活し、自分より下位と認識した者に対しては排除しようとすることもあります。

赤ちゃんに対して自分より下位と判断してしまうと犬が優位に立って赤ちゃんに手を出すことも考えられますので、序列をしっかりと教えてあげなければなりません。

また、しつけにおいては舐め癖を治すことも重要です。

おっぱいやミルクの香りに誘われて赤ちゃんの口元をペロペロと舐めてしまわないように、赤ちゃんを迎え入れる前に舐め癖を治しておきましょう。

犬のメンタルケア

これまで飼い主さんを独り占めしていた犬は、新しくやってきた赤ちゃんに嫉妬することがあります。

飼い主さんが赤ちゃんのお世話に手いっぱいになってしまったり、人によっては愛情が赤ちゃんに移ろいがちになってしまうことがあるのは、ある程度仕方がないことなのかもしれません。
しかしそうなると、犬は寂しい思いをしてしまいます。

その寂しさや嫉妬心を放置していると、やがて犬にとって大きなストレスとなり様々なトラブルに繋がることになるでしょう。
脱毛や元気消失などの犬の健康面に影響を与えたり、吠えたりイタズラなどの問題行動を起こすようになったりと犬によっても様々な影響が見られます。

そして絶対にあってはならないことは、犬が赤ちゃんを噛んでしまうことです。
実際にこういった悲しい事故があるのも事実です。

これは犬と飼い主との間で信頼関係やしつけができていれば、ある程度防げることではありますが、飼い主さんが犬の感情をコントロールしてあげたり、日頃からメンタル面のケアをしていくことも大切なのです。

新しく赤ちゃんを迎えてお世話が大変になるとは思いますが、犬にはこれまでと変わらない愛情を注いでお世話をしてあげるようにしましょう。

犬の飼育環境を整える

まずは赤ちゃんと共存できるような飼育環境に整っているかを確認しましょう。

  • 犬にとって誰にも邪魔されずに安心できるスペースはありますか?
  • 犬のトイレやエサ、水の場所は赤ちゃんが行けないようになっていますか?

特に赤ちゃんがハイハイをするようになると、動くものに強い興味を持つため少し目を離したすきに犬の毛をむしったり、しっぽをつかんだりしてしまうこともあります。

また、自分の安心できるスペースを奪われてしまうと犬にとって過度なストレスになりますので、犬の安心できる場所の確保やエサや水、トイレの場所を見直しましょう。

こまめに掃除をする

赤ちゃんは免疫機能が弱いため、アレルゲン物質とされる犬のフケや毛、ハウスダスト、ダニに過剰に反応してしまい、アレルギーが発症してしまう恐れがあります。

赤ちゃんが1歳半ぐらいまでは目に入ったものや手でつかんだものは何でも口に入れてしまいますので、ほこりや毛が口に入らないように注意が必要です。

こまめな掃除の他にも、空気清浄機の設置や犬に服を着せるなどの対策をするといいでしょう。

犬の予防接種をする

赤ちゃんがいる、いないに関わらず、犬の予防接種はするに越したことはありません。

もし予防接種をしていないようでしたら、赤ちゃんを迎え入れる前に予防接種することを強くおすすめします。

赤ちゃんの身を守る事にもなりますし、犬を感染症から守ってあげる事もできますので、後々あの時に予防接種しておけば良かった…とならないためにも、予防接種をしましょう。

赤ちゃんの寝る場所を配慮する

赤ちゃんの寝る場所はもう決まっていますか?

その場所は犬が行き来できる場所ですか?

床に布団を敷いて寝かせてしまうと、犬が赤ちゃんに飛び掛かってしまったり、何かに夢中になって走った際に赤ちゃんを踏んでしまったなどの事故もあり得ます。

どれほど大人しく優しい犬であっても、犬は犬であるという事を忘れてはいけません。

犬と赤ちゃんが一緒の時は決して目を離さず、近くで見守り、できれば赤ちゃんはベビーベッドに寝かせましょう。

また、犬のジャンプ力が優秀で飛び跳ねたらベビーベッドに届いてしまう場合は、ベビーベッドの周辺にゲートを設置するなどして、赤ちゃんの安全を確保していきましょう。

床から高い位置に寝ることにより、床に落ちているほこりや毛などのアレルゲン物質から遠ざけるというメリットもあります。

犬と赤ちゃんが暮らす際に注意する病気

質問犬

犬と赤ちゃんが暮らす際に注意する病気

注意する病気① 「アレルギー」

アレルギーとは、体内に入った異物を排出しようと免疫機能が過剰に反応することで起きる症状を言います。

アレルギーを発症させる原因とされるアレルゲン物質は犬のフケ、毛、ほこり、ハウスダストのほか、食べ物、薬などもあります。

アレルギーが発症するとアレルゲンに過剰に反応し、かゆみやくしゃみ、鼻水、咳、喘息などの症状が現れます。

アレルギーの発症は、清潔を保つことである程度は予防することができます。
こまめな掃除に、空気清浄機の設置、犬のお手入れなどに気遣って予防していきましょう。

また、後から犬を迎え入れることになった場合には、抜け毛の少ない犬種を選ぶことをおすすめします。
代表的な犬種としては、「プードル」「マルチーズ」などがあります。

注意する病気② 「サルモネラ症」

自然界のあらゆるところに生息する「サルモネラ菌」による細菌性食中毒の代表的疾患の1つです。

犬が感染した場合は比較的無症状ですが、人間に感染すると腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れます。

鶏肉や卵などの原因となる食品の低温保存管理を徹底すること、犬に生肉を与えないこと、犬に拾い食いさせないこと、感染している犬に触れた後はしっかり手を洗うことを徹底して予防していきましょう。

注意する病気③ 「ブルセラ症」

ブルセラ症は世界中に分布するブルセラ属の細菌に感染して起こる病気のことです。

犬が感染した場合には、不妊症・死産・流産のリスクが上がります。
人には感染しにくい感染症ではありますが、感染した場合はインフルエンザのような発汗、体重減少、嘔吐、下痢、便秘などの症状が現れます。

現在の日本ではほぼ撲滅している細菌ですが、犬の原因不明の不妊症・死産・流産が見られる場合にはこの病気を疑いましょう。

注意する病気④ 「皮膚糸状菌症」

皮膚真菌症や白癬とも言わる感染症で、糸状菌に感染している犬との接触により感染します。

犬の場合は耳や顔などの一部分に円形の脱毛やその周囲にフケやかさぶたが出現します。

人間の場合は感染部位によって病名が変わり、爪の場合は爪水虫、足の指などの場合は水虫、手足などの場合はたむしとなります。

命に関わる恐れは低い感染症ですが、日頃から犬の飼育環境や皮膚を清潔にしておくことで予防していきましょう。

注意する病気⑤ 「狂犬病」

日本では毎年1回狂犬病のワクチンの予防接種が義務付けられています。

感染した犬に傷口を舐められたり目や口などの粘膜を介して人にも感染し、感染した場合の死亡率は100%というとても恐ろしい病気です。

必ず毎年1回の予防接種を受けるようにしましょう。

注意する病気⑥ 「エキノックス」

エキノコックスは体長4ミリ程の寄生虫で、サナダ虫などの条虫の仲間に分類されます。

エキノコックスに感染したキツネや犬の糞便から汚染された食物・水などを、人が偶発的に飲み込むことにより感染します。

犬が感染していてもほとんど無症状ですが、人が感染すると、子どもの場合だと5年、大人で10年かけて徐々に症状が現れるようになり、治療をしないと最終的に死に至る感染症です。

犬と赤ちゃんを感染症から守るために

日本の気候では、動物から人へうつる感染症は流行りにくくはあるようです。

しかしリスクがあることには変わりはありませんので、しっかり予防と対策を行っていきましょう。

「狂犬病」や「レプトスピラ症」は犬の予防注射できますが、それ以外の感染症は、

  • 手洗い
  • 犬のお手入れ
  • 犬の健康管理
  • 室内の清掃や空気清浄機の活用

などをしっかり行うことで予防していきましょう。

犬がいて、これから赤ちゃんを迎えるご家庭へ

犬,子ども

 

これから赤ちゃんの出産を控え、ドキドキ、ワクワク、喜びや不安など、色々な感情を感じてらっしゃる頃ではないでしょうか。

新しい生活を迎えるにあたって、愛犬は赤ちゃんとうまく仲良くやって行けるだろうか、意地悪をしないだろうか、赤ちゃんに悪影響はないだろうかと心配になる日もあるかと思います。

犬はとても飼い主を愛しているがゆえ、もしかすると赤ちゃんに対して飼い主を取られてしまったと嫉妬をしてしまうかもしれません。

また、赤ちゃんが突然来て今までとは全く違ってしまった環境に慣れず、一時的に感情が乱れたりストレスを感じて吠え癖や噛み癖、トイレの失敗をしてしまう事もあると思います。

そんな時にも、厳しく叱りつけるようなことはしないであげてください。

犬が赤ちゃんの存在を気にしている様子であれば、新しく迎えた赤ちゃんであるという事を優しく説明し、安全を十分に注意しながらそっと見せてあげてください。

できれば赤ちゃんの匂いを嗅がせてあげて、新しい家族だと認識させてあげましょう。

もし「近寄ってはダメ!」などと叱ってしまうと〝赤ちゃん=邪魔者”となってしまうかもしれません。

赤ちゃんを迎えてお世話で手いっぱいの家族と同様に、犬も必死に新しい環境を受け入れようとしているという事を理解してあげましょう。

赤ちゃんがいて、これから犬を迎えるご家庭へ

ジャックラッセルテリア.白い犬.子犬.肉球

赤ちゃんのお世話に追われる中で新たに犬を迎えるというご家庭は少ないかもしれませんが、これから犬を迎えるご予定であれば、迎え入れた後にトイレトレーニングやお座り、フセなどをはじめとしたしつけをどのように、誰が主体で進めていくのかについて、ご家族で話し合われる事をおすすめします。

赤ちゃんがいる環境ではどうしても赤ちゃんが優先になりますので、犬のお世話や社会化、しつけをきちんとしていけるのか、安全面や衛生面においても十分な検討や対策が必要になってきます。

また、子犬の場合は甘噛みをしたり舐める行為も多いため、ある程度犬のしつけが行き届くまでは赤ちゃんと別の部屋で生活する方がいいでしょう。

この記事のまとめ

犬と赤ちゃんが一緒に暮らすために
  • 犬と赤ちゃんが一緒に暮らすメリット
    「赤ちゃんの免疫力アップに期待できる」
    「赤ちゃんの心の発達を助ける」
    「赤ちゃんにとって犬が兄弟になってくれる」
  • 犬と赤ちゃんが一緒に暮らすデメリット
    「アレルギー発症のリスク」
    「感染症のリスク」
    「犬にとって赤ちゃんがストレスの原因になることも」
  • 犬のしつけが行き届いていることが共同生活の大前提
  • 犬の嫉妬に注意。犬にもこれまでと変わらぬ愛情を!!
  • 犬だけのスペース、赤ちゃんだけのスペースを作ること。
  • 衛生面に配慮してこまめな掃除をすること
  • 犬の予防接種で犬と赤ちゃん両方を感染症から守ること
犬,赤ちゃん

犬と赤ちゃんが一緒に暮らすために 最後に

いかがでしたか?

赤ちゃんと犬が一緒の生活には注意しなければならない病気や危険がある事は事実ですが、それでも悪い事ばかりではありません。

赤ちゃんと犬が仲睦まじい姿は本当に癒されますし、命の大切さや思いやる心を育てる事にも繋がります。

赤ちゃん、飼い主、犬、家族みんなが共に仲良く成長しながら生活できるといいですね。