犬の睡眠時間について~犬種別・年齢別~


犬の睡眠時間とは?

犬を飼ってみて、1日のほとんどを寝て過ごす犬の姿に心配になった経験のある飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

ワシントン大学の調査によると、犬の睡眠時間は平均10.6時間と報告されている調査結果もありますが、現在では、成犬だと12~15時間の睡眠時間が必要だと考えられています。

いずれにしても、人の睡眠時間は8時間と言われているのに対し、犬の睡眠時間は人よりも明らかに長い睡眠が必要であることが分かります。

トイプードル

犬の睡眠時間が長い理由

犬はよく眠る動物だと言われていて、これは野生時代の名残からだとされています。

狩りを行ってきた犬の祖先は、狩り以外の時間のほとんどを睡眠に当てていました。
これは狩りで消耗した体力を回復するためで、いざという時でも身を守るための体力を溜めておく必要があったのです。

また、犬が昼間によく眠っていることも、夜行性だった野生の名残です。

現在ではペットとして飼われていますが、厳しい野生時代で生き抜くための本能が残っているのだと考えられています。

犬の睡眠時間の8割は「レム睡眠」

睡眠中には、「レム睡眠」という浅い眠りと、「ノンレム睡眠」という深い眠りが交互になって睡眠をとっています。

  • レム睡眠:体は休まっているが脳が起きている状態です。
    夢を見るのはこのレム睡眠の時です。
  • ノンレム睡眠:体も脳も眠っている状態です。

そして犬の場合、8割ものほとんどの時間が「レム睡眠」で浅い眠りの状態であると言われています。

これも野生の名残からだと言われていて、天敵から身を守るためいつでも反応できるよう、浅い眠りで時間を長くとっていたからだと言われています。

現在でも少しの物音がしただけで犬がすぐに目覚めてしまうのはこのためです。

犬の睡眠時間は長く感じるかもしれませんが、そのほとんどが「レム睡眠」であることから長い睡眠時間が必要となるのです。

犬の睡眠時間 ~犬種別~

それでは犬の睡眠時間は、犬種ごとによる違いがあるのでしょうか。

人気の高い超小型犬~大型犬の犬種別での睡眠時間を見ていきましょう。

トイプードル,ぬいぐるみ

チワワの睡眠時間

超小型犬であるチワワの睡眠時間は、成犬で10~12時間程度と言われています。

平均に値する睡眠時間だと言えますね。

トイプードルの睡眠時間

小型犬であるトイプードルの睡眠時間は、成犬で12~16時間程度と言われています。

トイプードルは賢くて活発に過ごすことが好きな犬種のため、回復までにたくさんの睡眠が必要になることがあるようです。

ミニチュアダックスフンドの睡眠時間

小型犬のミニチュアダックスフンドの睡眠時間は、成犬で12時間程度であることが多いようです。

活動的な性格のうえ、無駄吠えが多いと言われる犬種です。
その分体力も消費するため、長い睡眠が必要なのかもしれません。

ポメラニアンの睡眠時間

小型犬のポメラニアンの睡眠時間は、成犬で12~18時間だと言われています。

一見落ち着きがないようにも感じるほどのポメラニアンですが、一人遊びが大好きな活発な犬種でもあるので、その分消耗した体力を回復するまでに多くの睡眠を必要とするようです。

柴犬の睡眠時間

小型犬~中型犬に分類される柴犬の睡眠時間は、9~10時間程度です。

体が小さいものの活動的な日本犬です。
かつては、イノシシ狩りなどの猟犬として山岳地帯で活躍していた犬種のため、働く時間が長いためか平均よりも短めの睡眠時間となっています。

ただし、することがない時には他犬種同様寝ていることが多いですよ。

ビーグルの睡眠時間

中型犬に分類されているビーグルの睡眠時間は、約15時間程度です。

小さな狩猟犬としても優秀な犬種で、好奇心が旺盛で遊びが大好きな活発な性格をしているため、その分長い睡眠時間を取る必要があるのです。

フレンチブルドッグの睡眠時間

中型犬であるフレンチブルドッグの睡眠時間は、13時間程度です。

快活で遊び好きなフレンチブルドッグは、たくさん遊んでたくさんの睡眠を必要とします。

ウェルシュコーギーペンブローグの睡眠時間

中型犬であるコーギーの睡眠時間は、12~15時間程度です。

運動欲が高くスタミナも豊富なコーギーには、休息も多く必要となります。

ゴールデンレトリーバーの睡眠時間

大型犬であるゴールデンレトリーバーの睡眠時間は、13~16時間です。

ゴールデンレトリバーは散歩が大好きな子が多く、体が大きい分体力の消費量も多いため多くの睡眠時間が必要なのです。

ラブラドールレトリバー,.ソファ

体のサイズ別で睡眠時間は変わるの?

犬種別の睡眠時間からも見て取ることができるかと思いますが、小型犬ほど睡眠時間が短く、大型犬ほど睡眠時間は長い傾向にあります。

これは体が大きい分、体力の消費量も多くなることから睡眠時間を多く取って体力の回復をさせる必要があるためです。

他にも狩猟犬などの作業犬は、活動時間が長いために睡眠時間はやや短めになると言われています。

サイズ別犬の睡眠時間(参考)
  • 小型犬・・・約10~13時間
  • 中型犬・・・約12~15時間
  • 大型犬・・・約13~16時間

生活リズムが睡眠時間に大きく影響する

犬種別での睡眠時間をご紹介しましたが、これはあくまでも平均的に言われている睡眠時間です。

ペットとして飼われている家庭犬の場合、その犬の生活リズムが大きく影響して、犬種に関わらず個体によっても睡眠時間は変わってきます。

例えば、留守番をすることの多い犬の場合だと睡眠時間は長くなりますし、逆に日中飼い主さんと出かけることが多いような犬の場合だと睡眠時間は短くなります。

犬の睡眠時間 ~年齢別~

犬の睡眠時間は、犬の年齢によっても変わってきます。
年齢別での睡眠時間を見ていきましょう。

子犬(0~12カ月齢)の睡眠時間

子犬の睡眠時間は、18~20時間だと言われています。

子犬期には、好奇心旺盛で多くのことを学習しながら活発に過ごします。
そのため、多くの体力を消費するため、回復にも多くの睡眠が必要となるのです。

「寝る子は育つ」というのは子犬にも当てはまりますね。

成犬(1~6歳)の睡眠時間

成犬になると、必要な睡眠時間は子犬期よりも減少していき、12~15時間が一般的と言われています。

家庭環境や1日の過ごし方によっても個体差があり、これよりも少ない多いという場合もあるでしょう。

シニア犬(7歳以上)の睡眠時間

シニア犬になると、睡眠時間は子犬期同様の18~20時間と徐々に増えていきます。

これは、高齢になるにつれて体力が衰えていくため、消耗した体力を回復するまでに多くの時間を必要とするためです。

年齢を追うごとに睡眠時間は増え続け、食べる時やトイレの時以外はほとんど寝ているという印象を持つかもしれません。

犬が睡眠不足になると

犬が睡眠不足になるとどうなるの?

犬の睡眠不足は、人と同様に心身共に健康への影響を及ぼします。
体調を崩してしまったり、精神的疾患にかかってしまうことが考えられるでしょう。

睡眠には、体と脳の両方の疲れを取ってストレスを減らす効果があります。

しかし、何らかの原因で睡眠を十分にとることができなくなると、大きなストレスとなり、疲労感やイライラ、時には攻撃性を見せるようになることもあるでしょう。

さらに睡眠不足が続くと、下痢や食欲の低下など身体的にも大きく影響が見られることがあります。
体力の回復ができないことで免疫力が低下し、体調不良へと繋がっていくのです。

犬が睡眠不足にならないために

それでは、愛犬が健康的に睡眠不足にならないために、私たちにできることにはどんなことがあるのでしょうか。

それには、快適な睡眠をとれる環境を整えてあげることが重要です。

快適な環境を整えてあげるために
  • 快適なベッド・寝床を与える:本来犬は巣穴で生活をしていました。
    同じように薄暗く囲いのある寝床を準備してあげることが理想的です。
  • 快適な場所を提供する:屋外であれば車の通りの多い道路沿いや、室内であれば家族の揃うリビングなど騒々しい場所に寝床を設けていませんか?
    そうなると落ち着いて眠りにつくことはできません。静かで薄暗い環境で眠れるように快適な場所を提供してあげましょう。
  • 気温への配慮:犬であっても、夏は寝苦しく冬は寒さが身に染みるものです。夏は通気性が良く涼しい環境を、冬には温かい環境を整えてあげましょう。
  • 寝ている犬を邪魔しない:愛犬の寝ている姿が愛らしいからと言って、つい犬の睡眠を邪魔していないですか?
    寝ている時には、そっとしておいてあげましょう。

睡眠時間が長すぎるとき

犬は睡眠時間の長い動物だと説明してきましたが、普段よりもさらに睡眠時間が長い場合には注意が必要です。
睡眠時間が長すぎる時に考えられる原因を紹介します。

睡眠時間が長すぎる原因① 「ストレス」

引っ越しや新しい家族が増えた時などの環境の変化によって、犬はストレスを感じやすくなります。
また、運動不足やコミュニケーション不足によってもストレスを感じている可能性があります。

そういったストレスが溜まることで、犬は疲労感を感じるようになり睡眠時間が長くなることがあります。

睡眠時間を多く取らせてあげても根本的な解決とは言えず、吠える噛む、イタズラなどの問題行動に繋がってしまうことにもなるでしょう。
運動やコミュニケーションを十分に取ってあげてストレスを解消してあげることに努めてあげましょう。

睡眠時間が長すぎる原因② 「どこかに痛みを感じている」

私たち人間もどこかに痛みを感じている時、できれば動きたくないと感じますよね。
それと同様、犬もどこかに痛みを感じていて、その痛みを抑えるためにじっと過ごしているのかもしれません。

とくに老犬に多く見られますが、関節などに痛みを感じている可能性があります。

普段の歩き方や体に触れた時に嫌がる反応がないかなど、犬のことをよく観察するようにしましょう。
何か異常が見られるようであれば、一度動物病院で診てもらうようにしましょう。

睡眠時間が長すぎる原因③ 「老化によるもの」

犬の睡眠時間が長いときには、老化によるものかもしれません。

前述でも述べましたが、犬も年を取って老化していくと体力が衰えてきます。
その体力を回復させるために多くの睡眠時間を必要とするのです。

老化が進む度に眠る時間も増えていくため、1日のほとんどを寝て過ごすようになることもあります。

睡眠時間が長すぎる原因③ 「病気を患っている」

睡眠時間が長すぎる原因には病気が隠れている可能性もあります。

睡眠時間が長くなる主な病気には「甲状腺機能低下症」「ナルコレプシー」などがあります。
他にも感染症糖尿病、心臓病などの特定の病気が進行することで、体力が低下し重篤化して睡眠時間が長くなることもあります。

◆甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、「元気ホルモン」とも呼ばれる甲状腺ホルモンの分泌量が減少することで起きる病気の事です。
そして、体の代謝を活発にする役割を持つ甲状腺ホルモンの機能が低下することで、過剰な眠気を引き起こすようになり睡眠時間が長くなることがあります。

その他にも食欲が増える、体重が増える、元気がない、寒がる・震える、皮膚が乾燥して黒くなるなどの症状が見られるようになり、さらに重篤になると、昏睡に陥ったり意識障害を起こしたりする場合もあります。

中~大型犬に多く見られ、犬種だとゴールデン・レトリーバー、シェットランド・シープドッグ、柴犬、ダックス、ドーベルマン、ミニチュア・シュナウザー、プードル、ボクサーなどが好発犬種だと言われています。
若年でも発症することがありますが、中年齢頃から多く発症しやすい病気です。

◆ナルコレプシー

別名「眠り病」とも呼ばれ、自分の意志とは関係なく突然眠ってしまう睡眠障害の病気です。

興奮や喜びなどの感情に伴って、姿勢を保つ筋肉が突発的に弛緩する情動脱力発作(カタプレキシー)が起き、突然眠ってしまうように見えるというものです。
この発作によって睡眠時間としては短くなり、日中の眠気が強くなることで睡眠時間が増えたように感じることもあるようです。

ドーベルマン、ラブラドールレトリーバー、ダックスフンド、プードル、ビーグルが好発犬種として知られています。
興奮していた犬が突然意識を失ってしまうような症状が見られる場合にはこの病気を疑いましょう。

この記事のまとめ

犬の睡眠時間について
  • 成犬の平均睡眠時間は12~15時間
  • 犬の睡眠時間が長いのは野生の名残から
  • 睡眠時間の8割が「レム睡眠」
  • 小型犬ほど短く、大型犬ほど長い睡眠時間が必要
  • 生活リズムによって睡眠時間が変わることも
  • 年齢による睡眠時間
    子犬期・・・18~20時間
    成犬期・・・12~15時間
    シニア期・・・18~20時間
  • 睡眠不足になると心と体の健康状態へ影響を与える
  • 犬の睡眠がいつもより長すぎる時は、
    「ストレス」
    「どこかに痛みを感じている」
    「老化によるもの」
    「病気を患っている」   可能性があり
  • 犬の睡眠時間が長くなる病気には、
    「甲状腺機能低下症」「ナルコレプシー」「糖尿病」「感染症」「心臓病」などが考えられる
柴犬

さいごに

犬は、1日のほとんどの時間を寝て過ごしていますが、良質な睡眠を得るためには、起きている時間の過ごし方も大切です。

運動や遊びで五感を刺激したり、頭を使ったりすることで、心も体も満たされて良質な睡眠が得られるようになるでしょう。

犬の健康的な過ごし方は、元気いっぱいに楽しく過ごし、疲れた体をゆっくりと時間をかけて休めることです。

当たり前のようなことではありますが、1度愛犬の生活を見直してみるのも良いかもしれませんね。