犬にトリミングをするとき 目的や役割、頻度や料金について


トリミングとは?

チワワ、トイプードル,ヨークシャーテリア

そもそもトリミングとは、「毛をカットしてきれいに整える」という意味があります。

トリミングにはハサミやバリカンを使って毛をカットすること、またそれ以外にも犬種によって指やトリミングナイフを使って毛を抜く処理「プラッキング」なども含めて、「トリミング」と呼ばれています。

一方で、「グルーミング」という言葉もありますが、グルーミングとは、「全身をお手入れして、清潔に保つ」という意味になります。
この「グルーミング」には、

  • ブラッシング
  • シャンプー
  • 耳掃除
  • 爪切り
  • 歯磨き
  • 肛門腺絞り  などが含まれます。

そして、毛のカットを行う「トリミング」も「グルーミング」の1つに当たります。

ちなみに日本ではトリミングを行う仕事をしている人のことを「トリマー」と呼んでいますが、海外では「トリマー」という言葉はなく「グルーマー」と呼ばれているそうです。

犬にトリミングをする理由

「トリミング」をする理由と言うと、単に体をきれいにするため、可愛いスタイルにするためといった印象を持つ人も多いかもしれません。
しかし、トリミングの目的はそれだけではありません。

マルチーズ

◆ダニやノミなどの害虫予防

毛量が多いと、ダニやノミが温床するのに好ましい環境となります。
そこでトリミングをすることによって、ノミやダニなどの害虫予防をすることに繋がります。

◆ケガや病気を予防する

例えば、目の周りの毛をカットすることで目に毛が入って起こる眼病の予防することができる他、足裏の毛で滑って転倒してしまいケガをすることがないように予防することもできます。

◆被毛を衛生的に保つ

犬は全身を毛で覆われているため、雑菌が繁殖すると臭いの原因にもなります。
特に肛門周りの毛は糞や尿で汚れやすく不衛生になりがちです。

トリミングによって被毛全体を衛生的に保つことができる他、肛門腺絞りが行いやすくなるなど役割があります。

◆熱中症予防

夏になると被毛の中に熱が困りやすく、熱中症になりやすくなります。

特に長毛種の場合には、そのリスクも上がるため、熱を放出しやすいサマーカットなどによって被毛を減らすことで熱中症予防をすることに繋がります。

◆美容やおしゃれ

トリミングによって、外見を整えておしゃれを楽しむことです。

最近では、様々なカットスタイルがあり、愛犬に合ったスタイルや飼い主好みのスタイルなど幅広く楽しむことができます。

ちなみに、現在では多くのカットスタイルがありますが、そのスタイルのほとんどがトイプードルから生まれたスタイルだと言われています。

トリマーは第2のドクター

「トリマー」というと「犬の美容師さん」という印象をお持ちの方も多いかと思います。
しかし、「トリマーは第2のドクター」とも呼ばれているのをご存知でしょうか。

トリミングを行う際には、犬の体に触れたり見たりするので、犬の体の変化にいち早く気付くことができるというメリットがあるのです。

そういったことからトリミングを仕事とするトリマーさんは犬の体の異常にいち早く気付くことができ、「トリマーは第2のドクター」と呼ばれています。

実際にトリマーさんが犬の体の異変に気付き、飼い主に告げたことで病気の早期発見につながったというケースも多くあるようです。

トリミングが必要な犬種

トリミングが必要な犬種をご紹介する前に、犬の被毛の構造・種類について知っておきましょう。

犬の被毛の構造

◆オーバーコート
犬の体の表面にある毛のことを「オーバーコート」と呼びます。
または「トップコート」と呼ばれていることもあります。

◆アンダーコート
オーバーコートの下に密生している綿毛のような柔らかい毛のことを「アンダーコート」と呼びます。
このアンダーコートによって寒さから身を守ることに役立っています。

犬の被毛の種類

◆シングルコート
アンダーコートがなく、オーバーコートだけで構成されている被毛のことです。

シングルコートの犬種には、「プードル」「マルチーズ」「ヨークシャーテリア」「シーズー」「パピヨン」などがあります。

ミニチュアピンシャーやグレーハウンドなど、毛の短いシングルコートの犬種も存在します。

◆ダブルコート
アンダーコートとオーバーコートの二重構造になっている被毛タイプのことを「ダブルコート」と呼びます。

ダブルコートの犬種には、「チワワ」「ダックスフンド」「ポメラニアン」「シュナウザー」「柴犬」「コーギー」「フレンチブルドッグ」「ボーダーコリー」などがあります。

ダブルコートの犬種は、換毛期と呼ばれる毛の生え変わる時期になると抜け毛が目立つのが特徴です。

犬の被毛の性質

◆スムースコート

短毛タイプのことで、「ショートヘアード」とも呼びます。

代表的な犬種としては、「スムースコートチワワ」「ミニチュアピンシャー」「パグ」「ラブラドールレトリバー」などがあります。

◆ロングコート

長毛タイプのことで「ロングヘアード」とも呼びます。

代表的な犬種としては、「マルチーズ」「ポメラニアン」「ゴールデンレトリバー」「シャルティ」などがあります。

◆ワイヤーコート

ワイヤー状の粗い毛質のことで「ラフヘアード」とも呼びます。

代表的な犬種としては、「ワイヤーフォックステリア」「ミニチュアシュナウザー」などがあり、「ダックスフンド」の中にもワイヤーコートを持った種類があります。

◆カーリーコート

くるくると巻き毛になった毛質のことを「カーリーコート」と呼びます。

代表的な犬種としては、「プードル」「ビションフリーゼ」などがあります。

トリミングが必要な犬種

一般的にトリミングが必要な犬種は以下の犬種です。

トリミング犬種には、「シングルコート」で「ロングコート」の犬種がトリミング犬種に多いと言われています。

  • プードル(トイ・ミニチュア・ミディアム・スタンダード)
  • マルチーズ
  • ヨークシャーテリア
  • シーズー
  • ビションフリーゼ
  • シュナウザー(ミニチュア・スタンダード・ジャイアント)
  • アメリカンコッカースパニエル         など
シーズー

トリミング犬種だと思われがちな犬種

本来はカットを必要としない犬種でも、トリミングを行われていることがあり、トリミング犬種だと思われがちな犬種があります。

  • ポメラニアン
  • チワワ
  • パピヨン
  • ダックスフンド(ミニチュア・カニンヘン・スタンダード)
  • 柴犬        など

これらの犬種は本来、被毛が一定の長さまでしが毛が伸び切らず、自然と抜け落ちる犬種です。

トリミングすることで、毛が伸びなくなったり毛質が変わるといったことがあるので、注意した方が良いでしょう。

それでも熱中症対策や見た目を整えることを目的にカットをする場合には、お腹や胸などの部分カットをしてあげるようにすると良いでしょう。

ポメラニアン,柴犬カット

ミックス犬のトリミングは必要?

近年人気のあるミックス犬は、トリミングが必要な犬とそうでない犬に分かれます。

例えば、「マルプー(マルチーズ×プードル)」であれば、両親犬がどちらもトリミング犬種であるため、トリミングが必要となることは明確です。

しかし、「チワックス(チワワ×ダックスフンド)であれば、両親犬とも本来はカットが不要な犬種です。
さらに両親がスムースコートであればトリミングは不要となりますし、ロングコートであればトリミングするとしても部分カットのみでも良いでしょう。

ミックス犬の場合には、両親犬がトリミング犬種であるか、どちらの被毛を受け継ぐかによってトリミングが必要になるかが分かれてくるため、成長過程で判断していくことが必要となります。

犬のトリミングをする頻度

トリミング頻度

犬にトリミングをする頻度は、トリミング犬種である場合には基本的に月1回を目安にしましょう。

ただしこの頻度は、犬種や毛の長さ、季節などを考慮しながら頻度を調整した方が良いでしょう。

また、本来はトリミング犬種でないチワワやポメラニアンといった犬種の場合には、毛の伸び加減を見ながら、2~3カ月に1回程度の頻度で行ってあげると良いでしょう。

病気やシニア犬のトリミング頻度

トリミング犬種でも病気でなった時やシニア犬の場合には、トリミングを行うことによって体に負担をかけてしまうことが考えられます。

負担を軽減するためにも、頻度を少なくする、1回あたりにかける時間を減らし部分的に処置するなど工夫して負担を減らしてあげるようにしましょう。

また、濡れタオルやパウダーシャンプーなどを使ってケアされることもおすすめです。

子犬期のトリミングは?

子犬のトリミングは、体に触れられるのを慣れさせるためにも早い段階で徐々に始めていくと良いでしょう。

ただし、トリミングサロンの利用に関しては、生後3か月を過ぎワクチンプログラムが終了して1週間ほど経過してからにしましょう。

犬のトリミングの料金や時間

トイプードル

トリミング料金は、犬種や大きさ、地域によっても料金は異なってきます。

基本的には、シャンプーコースとシャンプー&カットコースに分かれており、コースには爪切り、足裏カット、耳掃除、肛門腺絞りが含まれています。

トリミングにかかる時間は、お店や技術によっても異なってきますが体の大きいサイズほど時間がかかってきます。

さらに毛のほつれがある場合には、別途料金が必要となり、その分トリミングにかかる時間もかかってきます。
普段からお手入れしておくことで、費用と時間の両方を節約することができますよ。

◆シャンプーコース:料金/時間

  • 小型犬:3,000円~4,500円/約30分~1時間30分
  • 中型犬:4,000円~5,500円/約1時間~2時間
  • 大型犬:7,000円~9,000円/約1時間30分~3時間

◆シャンプー&カットコース:料金/時間

  • 小型犬:4,500円~9,000円/約2時間~3時間
  • 中型犬:6,000円~10,000円/約3時間~4時間
  • 大型犬:10,000円~17,000円/約4時間~6時間

初心者でも簡単!自宅で愛犬のセルフ・トリミング!

トリミング犬種を飼われている場合、ほぼ毎月かかるトリミング料金の出費に頭を悩まされている人も多いのではないでしょうか。

そんな方には、自宅でのセルフ・トリミングをおすすめします。
プロのような仕上げにするのは難しいですが、整える程度なら簡単にできちゃいますよ。

愛犬とのコミュニケーションの時間にもなるのでおすすめです。

セルフ・トリミングに必要なもの

  • カットハサミ
  • すきばさみ
  • バリカン
  • コーム
  • トリミング台(無ければ作業しやすい高さの台を代用しましょう)

トリミング前には必ずブラッシング+シャンプーを!!

トリミングを行う前には、必ずブラッシングで毛並みを整えておきましょう。

毛が絡まっていたりすると、失敗の原因になってしまいます。
全身を丁寧にブラッシグしてあげましょう。

ブラッシングができたら、シャンプーをして汚れを落としてあげましょう。
ドライヤーを使って毛を十分に乾かしたらカットを始めます。

セルフトリミング① ~足裏~

足裏カットでは、ハサミでも良いですがバリカンを使うと効率的です。
小さいサイズのバリカンがあれば、より簡単にカットすることができますよ。

合わせて爪切りもしてあげると良いでしょう。

犬をトリミング台に乗せたら、犬を抱え込むようにしながら片方の手で足先を上げて、足裏にバリカンをかけていきます。

犬の指を開きながら、肉球を傷つけないようゆっくり丁寧にカットしてあげましょう。

4つの指球と大きな拳球の毛をカットするときには、拳球をぐっと押し開くとカットしやすくなります。

セルフトリミング② ~足周り~

足回りの伸びた毛をカットする時には、ハサミを使うと良いでしょう。

犬が立った状態、足を地面に置いたままの状態にして動かないよう注意しながらハサミを入れていきましょう。

地面にまで伸びた毛先を足の形に合わせて切り落としていきましょう。

セルフトリミング③ ~肛門周り~

肛門周りカットでも、ハサミもしくはバリカンを使いましょう。

肛門周りの毛をコームでとかしたら、尻尾を上に持ち上げて、肛門にかかっている毛をカットしましょう。
バリカンを使う場合には、バリカンを縦に持ち肛門の横溝から外側に向かって撫でるようにカットしましょう。

セルフトリミング④ ~目の周り~

目に毛がかかることで眼病を引き起こしてしまうことがあります。
目の周りの毛をこまめにカットしてあげましょう。

目の周りは顔の印象を決めるポイントでもあるため、切りすぎると失敗しがちです。
できるだけ、すきばさみを使ってカットすることをおすすめします。

まずは、目の周りの毛をコームで掻き出し、目にかかっている、かかりそうな部分だけをカットしましょう。

セルフトリミング⑤ ~からだ~

犬の体の毛をカットする際には、バリカンを使いましょう。

ただし、ワキや足の付け根など皮膚が柔らかい部分はできるだけ避けて、後からハサミを使って調整してあげると良いでしょう。

まずは、犬の頭を下げて首から背中へと、体の側面は毛の流れに沿って背中から斜め下へとカットしていきます。

胸元は犬の頭を上げて上から下へ向かって、おなか周りは内側から外側へ向かってカットしていきましょう。

この記事のまとめ

トイプードル,白,チョコレート
犬のトリミングについて
  • トリミングは、「グルーミング」の一つで「毛をカットしてきれいに整える」という意味がある
  • トリミングをする主な理由には
    「ダニ・ノミなどの害虫予防」
    「ケガや病気の予防」
    「衛生を保つ」
    「熱中症予防」
    「美容やおしゃれ」などがあります。
  • トリミングによって病気の早期発見・早期治療にも繋がる
  • トリミング犬種とそうでない犬種がある。
    トリミング犬種には、トイプードルやマルチーズ、シーズーなどがあり。
    チワワやポメラニアンはトリミング犬種ではないが部分的カットをすると良い。
  • トリミング犬種の頻度は月1回を目安に。
  • トリミング料金
    シャンプーコース 3,000~9,000円程度
    シャンプー&カットコース 4,500~17,000円程度
  • セルフトリミングは節約にもコミュニケーションにもなるのでおすすめ!!

さいごに

愛犬のトリミングをプロのトリマーさんにお願いすると、ほぼ間違いなく可愛くしてもらえるという安心感と満足感を得ることができます。

しかし、飼い主さんご自身でトリミングすることで、トリミング料金の節約や病気の早期発見・早期治療に繋がるというメリットもあります。

そして何よりも愛犬とのコミュニケーションの時間になるというメリットがあります。
その
愛犬が健やかで愛らしい姿でいられるよう、愛情込めてトリミングしてあげましょう。