アラスカンマラミュートの基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介!

アラスカンマラミュートという犬をご存知ですか?ペットショップで売られることはまずありませんし、日本でブリーダーを見つけるのもかなり難しい希少犬種です。超大型犬のため飼える環境や条件も限られていますが、一度アラスカンマラミュートを飼うとその魅力の虜になるそうです。まだまだ知名度の少ないアラスカンマラミュートの歴史や基本情報・性格・特徴・しつけやお手入れの仕方まで、すべてまるごとご紹介しましょう。

アラスカンマラミュートの基本情報

  • 原産国:アメリカ 大型犬

  • 体高:オ ス60㎝~71㎝ メス55㎝~58㎝

  • 体重:オス35㎏~38㎏ メス20㎏~24㎏

  • 分類:ワーキング・ドック

アラスカンマラミュートとシベリアンハスキーの違いは?

アラスカンマラミュートはシベリアンハスキーに外見が似ていることもあり、よく間違われることがあります。

シベリアンハスキーとアラスカンマラミュートの違いをみてみましょう。

  • 体型:シベリアンハスキーは中型犬ですが、アラスカンマラミュートは大型犬で大きくがっしりしています。

  • 耳:シベリアンハスキーの両耳は近くて頭の高い位置にあり、アラスカンマラミュートの両耳は離れていて頭の低い位置についています。

  • 目の色:アラスカンマラミュートの目の色はダークカラーしか認められていませんが、シベリアンハスキーにはブルーやバイカラーなどがあります。

  • 尻尾:普通に立っているときの尻尾の状態で見分けることができます。アラスカンマラミュートの尻尾は背中の方にくるっと巻き上がった巻き尾ですが、シベリアンハスキーの尻尾は自然に垂れ下がった垂れ尾です。

アラスカンマラミュートの歴史

アラスカンマラミュートはスピッツ系の犬種で、北極地方の厳しい環境の中で生きてきました。

詳しい起源などはよくわかっていませんが、アラスカ西部にあるノートン・サウンドに住むマラミュート族に飼われていたといわれています。

マラミュートのマラはイヌイット部族の名前で、ミュートは「村」という意味なのだそうです。

その頃のアラスカンマラミュートは、北極熊やアザラシなど大型動物の獣猟犬として飼われていました。また、しとめた獲物を持ち帰るときの荷引き犬としても活躍しました。

体も大きく力が強いので、大きな獲物でも一頭でひくことができるため重用されていたようです。

イヌイット族とアラスカンマラミュートは極寒の地アラスカで肩を寄せ合いながら共存していました。

アラスカマラミュート存続の危機!

18世紀には探険隊がアラスカに入り、イヌイット族と共に暮らすアラスカンマラミュートの存在が海外にも知られるようになりました。

1895年にアラスカで金が発掘され、海外から多くの人がアラスカに住むようになります。

その頃から娯楽としてアラスカンマラミュートの荷引きレースが行われるようになり、海外からやってきた犬との異種交配が盛んにおこなわれるようになりました。

アメリカのゴールドラッシュ時代になると、より強く速いアラスカンマラミュートをつくるためにあらゆる犬種との交配が繰り返され、純血種絶滅の危機をむかえます。

~使役犬から愛玩犬へ~生まれ変わったアラスカンマラミュート

1920年頃、一人のニューイングランド・ドックレース愛好家が数頭の純血アラスカンマラミュートを発見したことから、純血種保存のため再び繁殖が始まりました。

第二次世界大戦では、寒さに強く頑強なアラスカンマラミュートは軍用犬として力を発揮しました。

1935年に初めてAKCに登録を認められ、現在ではショードックや愛玩犬として、アラスカンマラミュートの愛好家によって大切に飼われています。

アラスカンマラミュートの特徴

シベリアンハスキーと間違われやすいといわれるアラスカンマラミュート。どんな体つきで、どんな特徴があるのでしょうか。

アラスカンマラミュートは力持ち!

アラスカンマラミュートはとてもたくましい体つきで、がっしりとした骨格や発達した筋肉を持っています。体高の約半分という深い胸をしています。

体高より体長のほうがやや長い体型です。

大型犬の中でも特に大きく、立ち上がると大人の肩までの高さと同じくらいになります。

活発で強靭な力を持ち、並み外れた持久力があるとてもパワフルな犬種です。

まさに犬ぞりレースには最適な犬といえるでしょう。

アラスカンマラミュートの毛色は?

シベリアンハスキーとよく似ているライトグレーやグレー、ブラックなど黒色系とセーブルやレッドなど茶系のものに分かれます。

単色はホワイトのみ認められています。

下毛の混色やトリミングによる混色は認められます。顔の一部のホワイトのマーキングが特徴的です。

アラスカンマラミュートの被毛はもこもことバリバリの二重構造!

被毛は密集した油性のアンダーコートと硬くて粗いトップコートからなるダブルコートです。

下毛は2.5㎝~5㎝のもこもこのウール状で熱が外に逃げるのを防いでいます。

上毛は硬くバリバリの粗い毛ですが、下毛を保護するだけの十分な長さがあります。

被毛の多いふさふさとした巻き尾は顔にマフラーのように巻き付け防寒のために使います。

アラスカンマラミュートの性格・気質

めったに出会うことのない希少犬種であるアラスカンマラミュートを飼うためには、性格や気質など事前に十分な知識を持っていることが必須条件です。

大型犬で珍しい犬種のため、まわりに同じ仲間がいないなど、知識不足なためにひとつ間違えば飼い主も愛犬も互いに不幸なことになる可能性もあります。

アラスカンマラミュートを飼う前に知っておきたいの性格や気質についてお話していきます。

アラスカンマラミュートは体も大きいけれど、気持ちも優しくて大きい!

極寒のアラスカでイヌイット族に愛されながら長い間共に暮らしてきたアラスカンマラミュートは人への信頼感も強く、協調性があり飼い主に忠実です。

大きな体をしていますが、穏やかで優しい性格をしています。

また独立心が強く意思の強い犬種でもあります。

そりを引く荷引き犬であったため、そりを引くレースなど目的を持つことに意欲を燃やしますが、目的のない散歩なども大好きです。

家族には友好的ですが、他の犬や知らない人などには攻撃的になることがあります。

自意識が強く頑固なところもありますから、わがままにならないよう、しっかりと主従関係を築くことが大切です。

穴を掘ったり遠吠えをしたりする野生の習性も色濃く残っています。

アラスカンマラミュートの飼い方・しつけ

アラスカンマラミュートは荷引き犬として飼われていたため、他の愛玩犬と違い体も大きく力も強い犬種です。

安全に飼うためにはアラスカンマラミュートに必要な環境や条件があります。

アラスカンマラミュートの正しい飼い方としつけ方を知っておきましょう。

アラスカンマラミュートに運動不足は大敵!

大型犬で力の強いアラスカンマラミュートは、そりレースに出るほどの犬ですから、かなりの運動量を必要とします。

毎日2時間は散歩や運動をさせる必要があります。

運動不足になるとストレスが溜まり攻撃的になったりします。

成犬はとても力が強いので、ふいにリードを引っ張られると大人でも引きずられ倒れてしまいます。子供にはリードを持たせないようにしましょう。

急に走り出させない、リードをひかせない、など十分なトレーニングが必要です。

室内だけで飼うのはまず不可能です。できれば自由に動ける広い庭か、大きな犬舎のあるところがベストです。

寒さにはとても強い犬種ですが、暑さには非常に弱いので、特に暑い地方での飼育には室内や犬舎などの温度管理が最重要になります。

アラスカンマラミュートのしつけはまず主従関係の徹底から!

頑固で融通のきかないところがありますから、自分が納得しないことには頑として動かないところがあります。

まずは飼い主をリーダーとして認識させる必要があります。

忍耐強い性格をしていますので、時間をかけてしっかりと主従関係を築いていきましょう。

大型犬で力の強い犬だけに、しつけに失敗すると手がつけられなくなります。

アラスカンマラミュートは大型犬なので尿や便の量も多いので、トイレは室外でさせるほうが無難かもしれません。

アラスカンマラミュートのお手入れ

寒い地方で生まれた犬種なので被毛が厚く、手入れは丁寧にする必要があります。

長めの短毛のダブルコートで、下毛が皮脂で防水されているため、ブラッシングを怠るとフェルトのように固まってしまいます。

換毛期は特にたくさんの毛がぬけますから毎日のブラッシングは欠かさないように、また定期的にシャンプーもしてあげましょう。

歯磨きや爪切りは子犬の頃から習慣付け!

歯磨きや爪切りなどは子犬の頃から、口や手足を触わることに慣らしておく必要があります。

アラスカンマラミュートはマズルも大きいので、体を触られることに慣れていないと、驚いたり興奮したりして、噛まれて怪我をすることがあります。

アラスカンマラミュートは暑いのがとても苦手!

暑さに特に苦手な犬種なので、夏の散歩や運動には早朝や夜の時間帯を選び、保冷剤が入れられたり、濡らすと冷える服を着せるなどして熱中症にならないようにしましょう。

室内飼育の場合は、冬の暖房にも気をつける必要があります。

人間は寒くて暖房をつけますが、アラスカンマラミュートには暑すぎることがあります。

室内がある程度温まったら暖房は切るようにしましょう。

アラスカンマラミュートの注意する病気

アラスカンマラミュートの寿命は10才~15才なので、他の犬よりは少し短いかもしれません。 

一日でも長生きしてもらうためには、どんな病気に気をつけなければならないのでしょうか。

いくつか症例をご紹介しますが、自己判断はとても危険です。

あくまでも参考程度にして、気になる症状があれば、必ず獣医師の診断を受けましょう。

アラスカンマラミュートの注意する病気その① 股関節形成不全

この病気は、太ももと骨盤を繋ぐ股関節が先天的に不完全な病気です。生後6ヶ月頃から少しずつ症状が出始めます。

症状は腰をふって歩く、足をひきずる、かばうなど歩き方がおかしいことで気がつきます。

治療は若年齢で症状が軽い場合は、運動・食事管理や薬物療法で痛みと進行を押さえます。

症状が重く内科的治療では進行を押さえられない時は外科手術を行います。

股関節形成不全の予防には肥満にならないために食事管理をし、激しい運動も避けるようにしましょう。

新しく子犬を迎えるときに、親犬に股関節形成不全がないか確認することも必要です。

アラスカンマラミュートの注意する病気その② 白内障

白内障には先天的白内障と後天性白内障があります。

また6才以前に発症した白内障は若年性白内障と呼ばれ遺伝性の強い先天的なものです。

6才以降に発症する老齢性白内障は高齢や外傷、糖尿病などからおこります。 

症状は目が白く見えることで気がつきます。

また、物によくぶつかる、つまずく、壁を伝って歩くなどがみられたら白内障の疑いがあります。

治療は点眼による内科的治療と手術による外科手術があります。点眼による投薬治療は白内障の進行を遅らせるもので、完治させるものではありません。

完治させるには外科手術で水晶体を取り除き人工レンズを入れます。

後天性白内障の予防のために紫外線の強い昼の散歩は避けましょう。

ビタミンC不足は水晶体の衰えを進行させるので、毎日の食事に加えてサプリメントなどでビタミンCを補給してあげるのもいいでしょう。

アラスカンマラミュートのこぼれ話 

いかがでしたか?アラスカンマラミュートについて少しは知って頂けたでしょうか。

日本でも少数ですがアラスカンマラミュートを繁殖させているブリーダーさんもおられますが、まだまだ一般的ではありません。

アラスカンマラミュートを飼いたいときは、海外からの輸入も考える必要があります。

犬の輸入は仕入れ国によって複雑で煩雑な免疫手続きをしなければならず、個人ではなかなかできません。

輸入したい場合は犬の輸入代行業者に依頼するのが一番安全です。

輸入代行業者を介しての価格は、仲介者の数によって異なりますから相場は時価になります。

アラスカンマラミュートを飼う前に!

今まで書いてきたように、アラスカンマラミュートは重い荷物を長時間、一頭で運ぶだけの力を持った犬種です。

つまり、それだけの運動量を必要とする犬だということです。

アラスカンマラミュートと毎日1時間自転車で並走する運動を一日に二回やっている飼い主さんもおられます。

マンションなどで飼うのであれば、それだけの体力と時間的余裕がなければ飼えない犬種なのです。

アラスカンマラミュートを飼おうと思われる前に、自分の生活スタイルにあっているかどうかを、今一度考えてみて下さい。

飼われるアラスカンマラミュートが悲しい思いをしないためにも、私達人間には彼らが心地よく生きることのできる環境を整えてやる責任があるのではないでしょうか。