土佐犬の基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介

闘犬として有名な土佐犬。 狂暴や怖いというマイナスイメージを持つ人も多いでしょう。 実際に土佐犬による事件も起きているため、そのイメージを拭うことは難しいことなのかもしれません。 それでも、闘犬である土佐犬でも良い面を持ち合わせています。 そんな土佐犬の歴史や性格、飼い方などについてまとめてみました。

土佐犬の基本情報

土佐犬は、別名「土佐闘犬」と呼ばれており闘犬のために作出された犬種です。
イギリスやフランス、ドイツなどでは「危険犬種」として飼育規制されています。
日本国内では、一部自治体によってのみ規制されていて、現在でも闘犬に用いられることもありますが、ペットとしても飼育されている犬種です。

土佐犬の歴史

土佐犬の歴史
~ルーツ~

土佐犬は、かつて「土佐犬」と呼ばれていた現在の「四国犬」が原型となっています。
14世紀ごろ、日本では藩士の士気を高めることを目的に闘犬が行われていました。
この頃の土佐藩の闘犬で用いられていたのが、現在の「四国犬」です。
明治維新頃になると洋犬が輸入されるようになり、これまで闘犬で用いられていた四国犬の体格の小ささを改善し世界一の闘犬を目指すべく、ブルドッグ、ジャーマンポインター、グレートデン、セントバーナード、ブルテリアとの交配改良が行われました。
そうすることで体格が大きく、噛まれても痛みに耐えられるような皮膚が伸びる、まさに闘いに適した犬種「土佐犬」が誕生します。
1935年には「土佐犬」として正式に登録され、1937年には国の天然記念物に指定されています。
マスティフの容姿を色濃く残していることから、アメリカでは「ジャパニーズ・マスティフ」と呼ばれています。

土佐犬の歴史
~現在の闘犬~

イギリスをはじめとする動物愛護の先進国では、闘犬は19世紀に禁止となりましたが、日本では各自治体によって禁止されているだけで、国内の一部では闘犬が行われています。
それでも、近年では動物愛護の風潮の高まりを受け、闘犬は衰退の一途を辿ってきています。
その証拠に、土佐犬の闘犬の見せ場として半世紀にも渡って営業してきた高知県の施設「とさいぬパーク(旧:土佐闘犬センター)」は、2017年5月をもって閉鎖されました。

土佐犬の特徴

  • 体のサイズは様々。一般的には大型犬に分類
  • マスティフに似た風貌
  • ほとんどが垂れ耳だが、稀に笹耳
  • 毛色はレッドとフォーンが一般的

土佐犬の特徴
~強くてたくましいマスティフに似た犬~

土佐犬は、体高55~82cm体重36~100kgを超えるものまで、個体によって体のサイズが大きく異なり、一般的には大型犬に分類されています。
土佐犬は筋肉質でがっちりした体格をしていて、皮膚は噛まれても痛みを感じないよう弛んだ皮膚をしています。
頭部が大きく、マズルはマスティフのような角ばったマズルをしています。
耳は垂れ耳ですが、稀に笹耳の土佐犬もいるようです。

土佐犬の特徴
~毛質と毛色~

土佐犬の被毛は、短くて固い毛質をしたオーバーコートと、柔らかい毛が密生したアンダーコートの二重構造からなるダブルコートの犬種です。

土佐犬の毛色には、レッド、フォーン、ブラック、ブリンドル、アプリコットがあり、胸や足に白が入ることもあります。
最も一般的に見られる毛色はレッドやフォーンです。

土佐犬の性格・気質

  • 基本的には穏やかな性格
  • 闘争心が強く恐れ知らず
  • 飼い主に対して従順
  • 他の動物との相性はNG

土佐犬の性格・気質
~大型犬らしい穏やかな一面も持ち合わせている~

土佐犬は、勇敢かつ大胆な性格をしていますが、大型犬らしく穏やかな一面も持ち合わせています。
信頼関係を築いてきちんとしつければ、飼い主とその家族に対してはとても従順な犬になります。飼い主とその家族には人懐こく、甘える姿を見せることもあるでしょう。

土佐犬の性格・気質
~日本一の闘犬と言われる犬~

土佐犬は闘犬のために作出された犬種のため、闘争心がとても強く、知らない犬や動物に攻撃性を見せることがあります。
警戒心も強く疑い深い性格も持ち合わせているため、知らない人に対しては懐きにくく警戒心をむき出しにすることもあるでしょう。特に、メスよりもオスに警戒心が強い傾向があります。
それでも、きちんと育てられた土佐犬であれば、飼い主の言うことにきちんと従う従順さや賢さを備えている犬種です。
また、吠えないように作出された犬種でもあるため、無駄吠えをすることもほとんどありません。

土佐犬の飼い方・しつけ

土佐犬の飼い方①
~檻で飼育するべき!?~

土佐犬を飼育する場合、一部の自治体では飼育の許可や特定犬の標章を設置する義務、指定された条件を満たす環境下で飼育することが義務付けられていることがあります。
その中に、頑丈な犬舎で飼育することが指定されています。
つまり、例え自治体によって規制がない場合でも、安全対策のために檻のように頑丈な犬小屋で飼育することが必要だという事です。
近隣住人への安全のためにも、檻や頑丈な犬小屋での飼育が必要と言えるでしょう。

庭などのスペースに、脱走することができない檻や頑丈な犬小屋を設け、万が一人が入ってくることがあっても襲われないよう細心の注意を図った環境作りが必要です。
細かい規定が定められている可能性もあるので、まずはお住いの自治体に問い合わせてみましょう。

いくら頑丈な檻の中での飼育が必要だからと言っても、檻の中に入れっぱなしにするようなことはなく、きちんと愛情をかけて育ててあげることも忘れてはいけません。

土佐犬の飼い方②
~散歩でも細心の注意を!!~

土佐犬は体力も豊富にあるため、運動量を多く確保してあげる必要があります。
散歩は1日2回以上、それぞれ1時間以上の散歩をさせてあげましょう
見た目通り、引く力はかなり強いためリーダーウォークを習得させておくことはもちろん、頑丈な首輪に加えて胴輪を併用して、万が一の時のために土佐犬を制御できる力を持つ人や2人がかりでの散歩を行いましょう。

社会性が身に付いて他の動物に対する闘争心をあまり見せない土佐犬も僅かに存在しますが、他の犬や動物に本能的に闘争心を露にする気質を持った犬種です。
近隣住民のためにも、他の犬の散歩時間を避けることや、口輪の装着なども考慮した方が良いでしょう。

土佐犬のしつけ①
~信頼関係を築き土佐犬のリーダーになる~

土佐犬のしつけは、子犬のうちから厳しく行っていく必要があります。それでも決して暴力でのしつけを行ってはいけません。
土佐犬をしつけていく上で大切なのは、土佐犬との信頼関係を築き、土佐犬のリーダーになることです。
暴力でのしつけは信頼関係を壊してしまい、最悪の場合、飼い主に反抗的になり、ニュースで取り上げられるような事件が起こる事態にもなりかねません。
甘やかさず、きちんと愛情をかけて信頼を築いていきましょう。
そうして得た信頼に土佐犬はきちんと応えてくれるとても忠実な犬種なのです。

土佐犬のしつけ②
~専門家の力を借りることも必要~

元々犬を初めて飼う人には向いていない犬種ですが、土佐犬を初めて飼う場合でも、飼育は決して簡単とは言えない犬種なので、専門家のアドバイスや力を借りることも必要です。
プロのトレーナーであっても土佐犬を受け入れしてくれない場合もあるため、事前に受け入れしてくれるトレーナーのリサーチをしておくことや、できればブリーダーなど土佐犬を飼育している人からアドバイスをもらえるようにしておきましょう。
土佐犬を飼育している飼い主同士で繋がりを持つことも大切です。

土佐犬のお手入れ

土佐犬のお手入れ①
~ブラッシング&シャンプー~

土佐犬はダブルコートで抜け毛のある犬種ですが、スムースコートのためお手入れは簡単です。
ブラッシングは週1~2回程度行いましょう。
ラバーブラシを使って抜け毛を取り除き、同時に皮膚のマッサージもしてあげましょう。
仕上げに獣毛ブラシで毛艶を出してあげると良いでしょう。

固く汚れにくい毛質をしているため頻繁なシャンプーは必要なく、1カ月に1回程度のシャンプーしてあげる他に、日常的なお手入れとして硬く絞った濡れタオルで体を拭いてあげると良いでしょう。

土佐犬のお手入れ②
~グルーミング~

土佐犬は、トリミングサロンでは受入れしてくれないことが多い犬種です。
爪切りや耳掃除などのグルーミングは、基本的に自分でできるようにしておきましょう。
土佐犬が体のお手入れを嫌がると手が付けられなくなるため、子犬のころから慣れさせておきましょう。

土佐犬の注意する病気

土佐犬の注意する病気①
~胃捻転~

土佐犬に限らず大型犬に発症しやい胃がねじれてしまう病気のことで、胃がねじれることで周囲の血管や消化機能に影響を与え、胃の中でガスを発生させながら胃が膨らみ周囲の臓器まで圧迫します。ショックを起こすと最悪死に至る病気です。
加齢や早食い早飲み、食後すぐの運動などによって発症しやすくなると言われています。
食後から数時間経った夜中~明け方に発症することが多い傾向にあり、腹部が膨らんで見える、嘔吐やゲップ、吐こうとするが吐けない、水を大量に飲む、食欲不振などの症状が見られたら、例え夜間であってもすぐに動物病院に連れて行きましょう。

土佐犬の注意する病気②
~股関節形成不全・肘関節形成不全~

股関節形成不全または肘関節形成不全は先天的な病気で、股や肘の関節が異常に変形している状態のことです。遺伝が関与しているとも言われています。
成長期の急激な体重の増加と活発に動くことで骨と筋肉のバランスが崩れ、生後6カ月頃から徐々に異常が見られるようになります。
いずれも不自然な歩き方をする症状が見られます。
軽症であれば安静に過ごすことで関節が正常に成長するのを待ちますが、重症の場合には外科手術が必要となります。
親犬に股または肘関節の異常が見られないかを確認することも大切ですが、子犬の頃から食事と運動のバランスをしっかり管理して、異常にすぐ気付けるよう日々観察していきましょう。

土佐犬のかかりやすい病気③
~皮膚病~

土佐犬は、皮膚が弱く皮膚病にかかりやすい犬種です。
特にアトピー性皮膚炎になりやすいと言われており、アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に入ることで、皮膚のバリア機能を低下させて皮膚炎を起こします。
強い痒みを伴うため患部を舐めたり噛んだりすることから脱毛や化膿することもあります。
アレルギーとなる原因の物質を調べる他、投薬によって治療することができますが、予防することができる病気でもあります。

皮膚の清潔を保つこと、アレルギーとなる原因の物質への接触を避けて予防していきましょう。

土佐犬による事件はなぜ起きるのか?

過去には、土佐犬による咬傷事件や、他の犬を噛み殺したという事件が起こりました。
そういった事件を起こす土佐犬のほとんどは、庭で放し飼いされていた、檻の中に入れっぱなしなど、ずさんな環境で育てられた土佐犬が脱走した時に起こしたことが多く、飼い主に責任や問題があることがほとんどです。
事件を起こした土佐犬の飼い主は書類送検や逮捕され、殺処分された土佐犬もいます。

土佐犬は古くから闘争本能の高い犬種を交配させて、より強く闘犬らしい犬を目的に作出された犬種です。人間の手によって強い犬種にされたのです。
その性質をしっかり理解された正しい環境で愛情深く育てられた土佐犬は、飼い主にとても従順な性格をしているため、人や他の動物を襲うといった事件を防ぐことは十分にできます。

土佐犬を飼うためには十分な知識と経験と覚悟、それから土佐犬の生涯飼育するための経済力が必要です。
そして近隣住人への配慮とマナーも必要だということを土佐犬の飼い主一人ひとりが理解しておかなければなりません。

土佐犬のさいごに

土佐犬は憧れだけで飼って良い犬種ではありません。
一般的に良いイメージが持たれていない犬種なので、飼う前には近隣住人の理解を得ることも必要なのかもしれません。
しっかり準備して迎えた土佐犬を愛情かけて正しく育てていけば、愛らしくもたくましい唯一無二のパートナーとなってくれるでしょう。