セントバーナードの基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介

アニメ「アルプスの少女ハイジ」や映画「ベートーベン」などで有名なセントバーナード。 大きな体で垂れ目の優しい印象が特徴的な犬種です。 今回は、セントバーナードの歴史や性格、飼い方などについて紹介します。

セントバーナードの基本情報

セントバーナードはスイス原産の犬種です。
全犬種の中で最も大きな体格を持つ犬で、アルプスで遭難者の救助犬として活躍していました。
映画やアニメなど多数のモデルに使われていることもあり、世界的に認知度の高い犬種です。

セントバーナードの歴史

セントバーナードの歴史
~ルーツ~

セントバーナードはスイスが原産の犬種です。
先祖犬は、推定2世紀頃ローマ軍によってアルプスに持ち込まれた大型の軍用犬「モロシア犬(マスティフ系)」だと言われています。
当時セントバーナードはは番犬や農家などで使役犬として働いていましたが、17世紀に入って雪中での厳しい作業をこなす体力と能力、優れた嗅覚が評価され改良されていきました。

その頃にイタリア国境間のグラン・サン・ベルナール峠にあるサン・ベルナール修道院に寄贈された犬が、セントバーナードの基礎になります。
このサン・ベルナール修道院は、避難者の救護所としても使われていたことから、セントバーナードは遭難者の救助で活躍していくようになりました。
そして、修道院の名前「Saint—Bernard(サンベルナール)」が名付けられ、これを英語読みしたのが「セントバーナード」になります。

19世紀になるとイギリスに渡ることになりますが、この時セントバーナードは絶滅の危機を迎えていました。
近い地域で親近繁殖されていたため遺伝性疾患が多発し長生きすることができなかったのです。
そこで、ニューファンドランドと掛け合わせられ、当時細身で短毛だった体から、現在の大柄で長毛な姿へと変貌を遂げ絶滅を乗り越えました。
現在では、短毛と長毛の2種類のセントバーナードが存在します。

セントバーナードの歴史
~アニメや映画のセントバーナード~

19世紀半ばになると、セントバーナードの知名度は一気に広まっていくことになります。
当時イギリスで活躍していた画家ランドシーアによって、避難者を救助する2頭のセントバーナードの絵が描かれたのです。
これを機に知名度と共に人気が高まることになり、今後アニメや映画などで多用されることになります。

アルプスで40人もの遭難者を救助した実在のセントバーナード「アルプスの名犬バリー」の物語は、各国で語り継がれています。
アニメでは1974年に放送されたアニメ「アルプスの少女ハイジ」のヨーゼフや、1977年放送の「あらいぐまラスカル」のハウザー役、1975年放送のアニメ「フランダースの犬」のパトラッシュもセントバーナードを参考に描かれています。
映画では1992年公開「ベートーベン」では主役犬として登場したことで、話題となりました。

セントバーナードの特徴

  • あらゆる犬種の中で最大級の体格を持つ超大型犬
  • 小さな垂れ目、大きな垂れ耳、長く太い尻尾
  • スムースコートとロングコートの2種類ある
  • 毛色は「白地に赤」「赤地に白」

セントバーナードの特徴
~体格の大きさはナンバー1の犬種~

セントバーナードは、体高65~90cm体重50~91kgの超大型犬に分類されます。
その体格の大きさは、あらゆる犬種の中で最大級で、過去最大の個体は体高99cm、体重138kgに達したと言われています。
筋肉質でがっしりとした体型で、雪山で活動していたこともあり、太ももや脚は太くしっかりしています。
小さな垂れ目の表情と、大きな垂れ耳、太くて長い尻尾も特徴的です。

セントバーナードの特徴
~抜け毛は多い?毛色は?~

日本でのセントバーナードは長毛種のイメージが強くありますが、「ロングタイプ」と「スムースタイプ」の2種類があります。
いずれもダブルコートのため、換毛期では大量の抜け毛があります。
スムースタイプは硬い短毛が密生していて、ロングタイプは程よい長さの直毛またはウェーブがかった毛質です。

毛色には、ホワイトの地色にレッドブラウン、レッドブラウンの地色にホワイトの斑またはブランケット(毛布をかけたような模様)などがあります。

セントバーナードの性格・気質

  • 温厚で優しい犬
  • 大きな体の甘えん坊
  • マイペースで頑固者

セントバーナードの性格・気質①
~優しく温厚な性格~

セントバーナードの性格は、子犬の頃はやんちゃで遊びが大好きですが、成犬になるにつれて温厚で落ち着いた性格になっていきます。
成犬になっても甘えん坊の一面はありますが、基本的にはマイペースでのんびり過ごすことが多くなります。
家族に対しては愛情深く、献身的です。小さな子どもにも優しく接することができますよ。

セントバーナードの性格・気質②
~納得できないことには微動だにしない頑固者~

セントバーナードは賢く自分で考える洞察力に優れています。

知らない人や動物には一旦距離を置いて様子を伺うことがありますが、基本的に攻撃性を見せることなく上手に接することができます。
頑固な一面があるため、納得のいかないしつけは聞き入れず、興味のないことにはとことん無関心です。文字通りの「重たい体」を動かすことに苦労することもあるでしょう。

セントバーナード,大型犬

セントバーナードの飼い方・しつけ

セントバーナードの飼い方①
~飼育は室内飼い?外飼い?~

セントバーナードは体が大きいため飼育には広い土地と庭が必要です。
セントバーナードは、アルプスの厳寒に耐えられるほどなので寒さには強いのですが、暑さには弱いです。よほど涼しい地域でない限り、温度管理された場所での飼育が必要です。
冬であれば屋外での飼育も可能ですが、夏はエアコンで温度調整された室内で飼育しましょう。
セントバーナードはよだれの多い犬種でもあるので、家具など室内が汚れることは覚悟しておかなければなりません。

室内では家族と一緒に過ごしたり自由に過ごす時間も大切ですが、ケージで落ち着いて過ごさせることも大切です。
子犬とはいえ、力が強く甘噛みでも家具やハウスを十分にボロボロにできてしまいます。ケージやハウスは頑丈なものを準備しておきましょう。

セントバーナードの飼い方②
~運動量はどれくらい必要?~

セントバーナードはずっと走り回るような運動は好みませんが、太りやすい性質を持っているため健康のために毎日適度な運動をさせてあげましょう。
散歩は1日2回、各1時間程が目安で、ゆっくり歩きながら散歩しましょう。
それに加えて、セントバーナードのテンションを見てボール遊びなどで遊んであげましょう。
力が強い犬種なので、散歩では必ずリーダーウォークを習得しておきましょう。

セントバーナードのしつけ①
~モチベーションを維持してしつける~

セントバーナードは優しく温厚な犬種ですが大型犬です。大型犬のしつけには、信頼関係と主従関係を築くことが大切です。

セントバーナードは飼い主を喜ばせようとする尽くす性格をしています。その性格を活かして、飼い主が喜ぶ姿を見せてセントバーナードのモチベーションを上げながらしつけていくと良いでしょう。
とてもマイペースで頑固でもあるので、お気に入りのおもちゃなどを使ってテンションをコントロールすることもポイントです。

セントバーナードのお手入れ

セントバーナードのお手入れ①
~抜け毛対策~

セントバーナードには、スムースコートとダブルコートの2種類がありますが、いずれもダブルコートで体が大きいため、換毛期には特に多くの抜け毛に頭を悩ませることになるでしょう。
抜け毛をそのままにしておくことで毛玉や皮膚トラブルの原因となるので、こまめにお手入れをしてあげなければなりません。

◆セントバーナードの抜け毛対策 その① ~ブラッシング~

抜け毛対策の基本はブラッシングです。
スムースコートとダブルコートどちらの場合も、できれば毎日少なくても週3~4回はブラッシングしてあげましょう。

ロングコートの場合には、スリッカーブラシで抜け毛を取り除いた後、コームを使って毛並みを整えてあげましょう。
スムースコートには、ラバーブラシで抜け毛を取り除いてあげると良いでしょう。

◆セントバーナードの抜け毛対策 その② ~シャンプー~

抜け毛対策にはシャンプーも有効です。
それでも頻度が多すぎると皮膚トラブルになってしまうため、月1回を目安に行いましょう。
綿のようなアンダーコートが密生しているため、地肌にまでしっかりお湯が行き渡るようにして丁寧に洗い、シャンプーの洗い残しがないようしっかりと流してあげましょう。

◆セントバーナードの抜け毛対策 その③ ~服を着せる~

セントバーナードに服を着せることで、抜け落ちた毛が飛散するのを防ぐことができます。
車に乗せる時や、公共の施設に行く時などには服を着せることをおすすめします。

セントバーナードのお手入れ②
~よだれのケア~

セントバーナードはよだれが多い犬種としても知られています。
よだれをそのままにしておくと「よだれやけ」にもなってしまうので、こまめに拭き取ってあげましょう。

また口の中を清潔にしておかないと、臭いがきつくなります。
できるだけ毎日歯磨きをすることをおすすめします。少なくても2~3日に1回の歯磨きをしましょう。

よだれで体が汚れるのを防ぐために、よだれかけ(犬用スタイ)を使われることもおすすめします。

セントバーナードの注意する病気

セントバーナードの注意する病気①
~股関節形成不全~

股関節形成不全は先天的な病気で、股の関節が異常に変形している状態のことです。
成長期の急激な体重の増加と活発に動くことで骨と筋肉のバランスが崩れ、生後6カ月頃から徐々に異常が見られるようになり、不自然な歩き方をする症状が見られます。
軽症であれば安静に過ごすことで関節が正常に成長するのを待ちますが、重症の場合には外科手術が必要となります。
親犬に股関節の異常が見られないかを確認することも大切ですが、子犬の頃から食事と運動のバランスをしっかり管理して、異常にすぐ気付けるよう日々観察していきましょう。

セントバーナードの注意する病気②
~悪性リンパ腫(リンパ肉腫)~

悪性リンパ腫は、体の免疫を担うリンパ球ががん化する病気のことです。
原因ははっきり分かっていませんが、セントバーナードだけでなく中高齢犬に特に多く見られる病気です。
治療は主に化学療法を行いますが、リンパ腫のタイプによって手術が必要になることもあります。
しこりや腫れが見られたり、嘔吐、下痢、咳、元気・食欲がないなどの症状が見られます。
予防ができない病気のため、早期発見と早期治療が大切です。あごやわきの下、脚の付け根などのリンパ節を中心に、日ごろから全身のチェックを行っていきましょう。

セントバーナードの注意する病気③
~胃捻転~

セントバーナードに限らず大型犬に発症しやい胃がねじれてしまう病気のことです。
胃がねじれることで周囲の血管や消化機能に影響を与え、胃の中でガスを発生させながら胃が膨らみ周囲の臓器まで圧迫してしまいます。放置すると数時間で死に至る病気です。
加齢や早食い早飲み、食後すぐの運動などによって発症しやすくなると言われています。
食後から数時間経った夜中~明け方に発症することが多い傾向にあり、腹部が膨らんで見える、嘔吐やゲップ、吐こうとするが吐けない、水を大量に飲む、食欲不振などの症状が見られたら、すぐに応急処置が必要です。
例え夜間であってもすぐに動物病院に連れて行きましょう。
セントバーナードを飼う前に、夜間対応の病院を探しておくことをおすすめします。

セントバーナードの子犬はブリーダーから迎えよう

セントバーナードの子犬の子犬を迎えるときにはブリーダーから迎えられることをおすすめします。
ペットショップで見かけることはほとんどない犬種です。
ブリーダーでは、専門的な知識に基づき飼育・交配・繁殖をさせているため、性格や健康面でも優れていることが多く、飼育に関するアドバイスを受けられるというメリットもあります。
何度か犬舎の見学をしながら、信頼できるブリーダーから迎え入れるようにしましょう。

子犬の販売価格は、だいたい20~30万円です。

セントバーナードのさいごに

セントバーナードは超大型犬のため飼育スペースや飼育費用、抜け毛、よだれ、散歩など大変なことも少なくはありません。迎え入れる前にはしっかり検討する必要のある犬種です。
それでもセントバーナードを飼い始めたのならば、優しくて愛情深い性格に癒され、時には頑固さで子どもように困らせるセントバーナードは、かけがえのない家族になってくれるでしょう。