【動物看護士が解説!】人間にも伝染する??犬のインフルエンザの症状や予防について 

人間は冬になると、インフルエンザが毎年流行ります。人間だけではなく、鳥インフルエンザが流行り大きなニュースになることもあります。このような、インフルエンザは犬にもあるのでしょうか。また、人に感染したり、人のインフルエンザが愛犬に感染するのでしょうか。犬のインフルエンザについて、説明します。

犬のインフルエンザとは?

犬のインフルエンザは日本では感染が確認できていない?

犬にもインフルエンザはあります。元々、馬や鳥のインフルエンザであったウィルスが、犬に感染を起こしたということが、2004年にアメリカで確認されています。

犬インフルエンザは、「H3N8亜型」や「H3N2亜型」の2種類の
A型インフルエンザウィルスが原因となります。しかし、これらは日本では感染が確認出来ていません。

この犬インフルエンザの感染の特徴は、もともと犬にこのウィルスにかかったことが無かったため自然免疫がありません。

そのため、咳やくしゃみ、鼻水などによって感染してしまいます。

簡単に感染してしまうものの、比較的症状は軽いです。

犬用インフルエンザワクチンは日本にはない?

アメリカで、このウィルスのワクチンが条件付きで認可されていますが、日本にこの病気がまだ入ってきていないのでワクチンも基本的にはありません。


犬インフルエンザより犬パラインフルエンザ感染症に注意を



国内でよく見られるインフルエンザといえば、「犬パラインフルエンザ感染症」という病気です。

日本では、犬インフルエンザよりも、この犬パラインフルエンザ感染症の方が身近な病気なので、注意が必要です。

今回は、この犬パラインフルエンザ感染症について詳しくお伝えしていきます。

犬パラインフルエンザ感染症は風邪のような症状がでます

犬パラインフルエンザ感染症は、犬パラインフルエンザウィルスによって起こります。

一般的に風邪のような症状がでます。また、ひどくなったり、他のウィルスや菌と混合感染が起こっていたりすると、ケンネルコフという犬伝染性気管支炎を引き起こしてしまいます。

ケンネルコフとなる原因は、パラインフルエンザウィルスアデノウィルス2型、ポルデテラ菌の単独感染または複合感染となります。

ケンネルコフとは、強い呼吸器疾患が症状として現れます。

動物病院へ来院する犬は、ケンネルコフの症状を引き起こしてからくる場合がほとんどです。


犬のインフルエンザが人間に伝染するか?


犬インフルエンザや、犬パラインフルエンザ感染症は人間のインフルエンザとはウィルスの型や種類が違います。

犬のインフルエンザは人間感染するかというと、基本的には伝染しません。

しかし、犬インフルエンザはもともと馬や鳥から変異したウィルスといわれている事から、さらに変異する可能性も否定できません。

その場合は、人間に伝染する可能性ももしかしたらあるかもしれません。


人間のインフルエンザが犬に伝染するか?

人間のインフルエンザも同じく、犬インフルエンザや犬パラインフルエンザ感染症のウィルスの型や種類が違います。

人間のインフルエンザはから犬へも、基本的には伝染しません。
犬がインフルエンザにかかるということは、人間ほど多くありません。

動物病院ではインフルエンザが愛犬に伝染しないか問い合わせがあります

反対に、人間は毎年冬になるとインフルエンザが流行ります。

その度に、愛犬に伝染しないのかという問い合わせも実際動物病院では多いです。

しかし、基本的には心配いりません。愛犬といつものように過ごしてもらっても大丈夫です。


犬がインフルエンザに感染した時の症状・対処法・ホームケア

今回、日本である病気、犬パラインフルエンザについて感染した時の症状や対処法、ホームケアについてケンネルコフの説明も交えながらお伝えしていきます。


犬パラインフルエンザの症状

主に短く乾いた咳やくしゃみ、鼻水などの呼吸器に起こる症状です。

症状は割と軽いですが、ケンネルコフを引き起こすと咳やくしゃみがひどくなります。

ケンネルコフは、犬伝染性気管支炎ということだけあって、軽い呼吸器症状を繰り返すうちに、気管に炎症が起こり症状がひどくなってしまうのです。

この咳は、運動時や興奮時、散歩による首輪の刺激や圧迫によってすぐに出ます。

また、えずいたり、嘔吐をしたり、熱が出たり、食欲や元気もなくなったりします。

さらに重症化すると、肺炎を引き起こす場合もあり、命の危険性が高まります。
犬パラインフルエンザ感染症から起こるケンネルコフは、大人の犬に感染することは少なく、感染したとしても数日で治まることが多いです。

抵抗力の弱い子犬に多く見られる病気です。
ちなみに、犬インフルエンザの症状も同じく咳やくしゃみなどの呼吸器症状がメインです。


犬パラインフルエンザの対処

犬インフルエンザ感染症から起こるケンネルコフは、咳やくしゃみなどの飛沫や感染犬との接触で感染してしまいます。

感染力はとても強いです、ケンネルコフとは、「犬舎で流行する咳」という意味で、抵抗力の弱い犬が多く集まる場所で感染するのが特徴です。

ほとんどは、ブリーダーの犬舎や、ペットショップなど犬が多く集まる所で感染し、家に迎えいれたばかりの子犬に症状が見られるという場合が多いです。

もし、迎え入れた子犬がケンネルコフの症状を引き起こしている場合や、愛犬が感染してしまった場合はすぐに動物病院へ連れていってあげましょう。

症状がひどいようなら家で様子をみていると危険な場合もあります。
 


犬パラインフルエンザのホームケア


愛犬が犬パラインフルエンザ感染症に感染してしまった時に、家でできるホームケアは、基本的には安静にさせてあげる事が一番です。

激しい運動や興奮をさせると咳がでて、気管の炎症がひどくなると重症化してしまう場合がありますので、無理はさせないでください。

ケージ内でゆっくり過ごしてもらうことが治療への近道となります。

子犬で、まだ元気があるうちは、よく動いて遊んで欲しいと遊びのおねだりをしてくる子犬もいます。家に迎えたばかりで、早く遊んであげたいという気持ちも分かりますが、心を鬼にして激しい遊びは控えましょう。

また、散歩も必要最低限にするか、症状をみてひどければ控えましょう。
ケージ内や食器類、ベッドやブランケットなどケージ内に入れているものは毎日掃除し、いつも綺麗な環境で過ごしてもらうことも大切です。
鼻水が多い場合は、鼻水が固まり呼吸がしづらくなることもあるので、優しく拭いてあげましょう。
食欲がない場合や鼻がつまり食べにくそうにしている場合は、食べやすく柔らかいドッグフードに変えてみるのも一つの方法です。


犬のインフルエンザの予防方法

犬パラインフルエンザ感染症も犬インフルエンザも予防方法は、基本的にはワクチンによる予防接種です。

犬パラインフルエンザウィルスが予防できるワクチンは、全ての混合ワクチンに含まれています。

動物病院で置いてある混合ワクチンは、5種から10種まであります。

しかし、動物病院によって置いてある種類は様々なので、気になるようであればかかりつけの動物病院へ確認してみましょう。

また、多頭飼いで新しく子犬を迎える場合は、迎える前までワクチン接種を済ませておきましょう。

そして、子犬を迎えた後、子犬に咳やくしゃみなどの呼吸器症状が見られたら、先住犬とは隔離しておきましょう。

先住犬にワクチン接種をしていたとしても、しっかり抗体が付いていない場合や、体が弱っている
場合、高齢犬で免疫力が落ちている場合などに感染してしまう可能性もゼロではありません。

子犬を迎える場合は、迎える前にペットショップやブリーダーの環境も出来ればチェックすることをおすすめします。

環境が清潔でなかったり、他にも咳やくしゃみをしていたりする子犬や、鼻水が出ている犬がいれば、感染している場合もあります。

このような場合は、体調に変化はないか、咳やくしゃみなどをしていないかなど確認してから迎えることも予防に繋がります

犬インフルエンザについては、まだ日本では報告されていない病気です。

アメリカなどの流行した国にはワクチンはありますが、日本にはほとんどありません。

現状は心配しなくてもいいですが、万が一日本で報告された場合は、すぐにワクチンを取り寄せるようになるかと思います。その場合は、かかりつけの動物病院へ確認することが望ましいでしょう。