アイリッシュセッターの基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介

アイリッシュセッターという犬種をご存知でしょうか。 赤褐色の被毛の美しい外見だけでなく、友好的な性格や高い運動能力が魅力的な犬種です。 今回は、アイリッシュセッターの歴史や特徴、飼い方などについてまとめてみました。

アイリッシュセッターの基本情報

アイリッシュセッターはアイルランドが原産地の犬種です。
英語では「Irish setter」と表記され、読み方は「セッター」「セター」のどちらでも間違いはありませんが、ジャパンケンネルクラブでは「アイリッシュセター」とされています。
特徴的な赤褐色の毛色から「レッドセッター」とも呼ばれていて、猟犬に分類されています。
現在では、ショードッグやペットとしても人気ある犬種です。

アイリッシュセッターの歴史

アイリッシュセッターの歴史
~ルーツ~

アイリッシュセッターはアイルランドを原産とする犬種で、1700年代にアイルランドで発展した最も古いセッター種と言われています。
起源は明確に分かっていませんが、イングリッシュセッターやゴードンセッターなどのセッター系と、スパニエル系、ポインター系の犬が掛け合わされて作られたという説が有力です。
アイルランドの漁師たちによって、猟の際に遠くからでも見つけやすい大型犬にするため改良が繰り返され、1800年前後に初めて真っ赤な色のセッターが誕生しました。
当時は、「アイリッシュ・レッド・セッター」と呼ばれていました。
その後の数年で、マホガニー色に改良されて、外観の美しさも高く評価されることになります。
19世紀中頃にはアメリカに持ち込まれて、鳥猟犬として注目されるようになります。
その頃のアイリッシュセッターは、赤色の毛色だけでなく白地に斑の犬も含めて「アイリッシュセッター」と呼ばれていましたが、のちに白地に斑の犬が「アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッター」として独立し、1876年に赤色の犬を「アイリッシュセッター」と呼ぶようになりました。

アイリッシュセッターの歴史
~アイリッシュセッターの先祖犬「パルマーストン」~

1862年頃のアイルランドでは、「パルマーストン」という名前のチャンピオン犬が誕生しました。
長い頭と細身の体を持ち合わせていたため、飼い主は猟に適さないと判断し間引きするよう命じました。
しかし、別のセッター愛好家によって救われたことにより、後にこの犬は品評会で驚くべき成績を上げることになります。
そしてパルマーストンはたくさんの子孫を残すことになり、現在のアイリッシュセッターはこのパルマーストンの遺伝子を引き継いでいると言われています。

アイリッシュセッターの特徴

  • 優美な外見を持つ大型犬
  • 豊富な飾り毛
  • 毛色はマホガニーレッド
  • 高い身体能力と豊富なスタミナを持つ

アイリッシュセッターの特徴
~体の特徴~

アイリッシュセッターは、体高55~67cm体重24~32kgの大型犬に分類されています。
優美な外見と共に引き締まった体を持ち、狩猟に不可欠なスピードとスタミナ、高い運動能力を持ち合わせています。
体高より体長がやや長く、前に突出した胸の形もアイリッシュセッターの特徴です。
マズルは長く、飾り毛が豊富な大きな垂れ耳をしています。

アイリッシュセッターの特徴
~毛質や毛色~

アイリッシュセッターの最も特徴的な被毛は、シングルコートで程よい長さの直毛をしています。
耳や脚の後ろ側、おなか、前胸や尻尾には全体より長めの飾り毛が見られます。
アイリッシュセッターの毛色は、マホガニーレッドと呼ばれていて、赤褐色のような美しい毛色をしています。

アイリッシュセッターの性格・気質

  • 友好的で明るい性格
  • 賢くて1度覚えたことは忘れない
  • 元気過ぎて乱暴に見えることも
  • 無邪気で甘えん坊な子供のよう

アイリッシュセッターの性格・気質
~いつまで経っても無邪気な子犬のまま~

アイリッシュセッターは、人や他の犬にも社交的で遊びの大好きな陽気な性格をしています。
体の成長に相反して心の成長が遅く、いつまで経っても子どものように無邪気で親しみやすい性格です。
しつけが入りにくいとも言われていますが、元々は鳥猟犬として活躍していた犬種なので、飼い主への忠誠心と服従心もしっかり備えられていて、上手にしつけることができれば1度覚えたことは忘れません。

アイリッシュセッターの性格・気質
~元気さが裏目に出ることも・・・~

タフで遊びが好きな性格をしているので小さい子どもさんの遊び相手にもなれます。
ただし、落ち着きがあるわけでもなく大型犬でもあるので、少し乱暴な印象を受けることもあるようです。
興奮しやすい一面も持っているため、いつでも注意が引けるようしつけておいきましょう。

アイリッシュセッターの飼い方・しつけ

アイリッシュセッターの飼い方①
~飼育に適した環境は?~

アイリッシュセッターはタフでエネルギッシュな大型犬なので、ある程度の広さを確保した飼育スペースが必要です。
そのため、アパートやマンションなどでの飼育はおすすめできません。

家族と暮らせる屋内で一緒に暮らしていくことが望ましいですが、屋外で飼うこともできます。
ただし、外飼いの場合には、真夏の暑さや真冬の寒さからは守ってあげなければなりません。
また、飼い主とのコミュニケーションを好む犬種なので、外飼いであってもコミュニケーションはしっかり取るようにしてあげましょう。

アイリッシュセッターにとって最適な環境は、室内での飼育に遊ぶための庭などのスペースがあることが理想的です。

アイリッシュセッターの飼い方②
~運動~

アイリッシュセッターはスタミナに溢れていて、運動量がたくさん必要な犬種です。
散歩は毎日2回、朝夕それぞれ60分程度を目安に散歩させてあげましょう。
ただ歩いて散歩するよりは一緒にジョギングをしたり、ボール遊びやフリスビーなど活発な運動を好みます。
また、身体能力が高く飼い主と一緒に作業することが得意な犬種でもあるので、ドッグスポーツもおすすめです。

運動不足になるとストレスが溜まって、破壊行動など様々な問題行動を取ることに繋がってしまうので、しっかりと運動管理してあげましょう。

アイリッシュセッターのしつけ①
~しつけのコツ~

アイリッシュセッターは、元々は猟犬のため散歩中などに他の小動物などを見かけると追いかけたがることがあります。
大型犬なので、突発性の行動にも対処できるようしつけていかなければなりません。

基本的には賢く飼い主にも従順な性格をしていますが、プライドが高い部分もあるため納得できない指示には従わないことがあるでしょう。
子犬のころからコミュニケーションを大切にし、信頼関係と主従関係を築きながら、アイコンタクトやリーダーウォーク、服従訓練を行っていきましょう。
感受性が強い面を持ち合わせているため、厳しく叱ったり体罰を与えるようなしつけは絶対に行わないでください。
成功例を増やして褒めて伸ばしていくことを意識して根気強くしつけていきましょう。

アイリッシュセッターのしつけ②
~しつけはアイリッシュセッターのリーダーになることから!!~

アイリッシュセッターは、飼い主をリードしたがる傾向があります。
それでも、アイリッシュセッターと安全で楽しい生活にするためには、飼い主自身がリーダーとなることが欠かせません。

◆信頼されるリーダーになるためには

  • 一貫性のある対応をすること:気分で態度を変えたりせず、家族で一貫性ある対応をしましょう。
  • 褒めて伸ばすこと:愛情を持って褒めたり優しく接することで信頼できるリーダーになりましょう。
  • 愛情と甘やかすことの違いを理解すること:甘やかし過ぎることで、自分がリーダーだと勘違いしてしまいます。
  • アイリッシュセッターのことを理解すること:アイリッシュセッターの体質や気質を理解しておきましょう。適切な対応対処ができるようになり信頼に繋がります。

アイリッシュセッターのお手入れ

アイリッシュセッターのお手入れ①
~抜け毛は多い?トリミングは必要?~

本来、シングルコートの犬種は抜け毛が少ないのですが、アイリッシュセッターは長毛種で体の大きさもあるため、抜け毛が多いと感じることがあるかもしれません。
こまめに抜け毛を取り除き、また美しい毛並みを維持するためにもできれば毎日、少なくても2~3日に1回はブラッシングしてあげると良いでしょう。

それに加えて1~2カ月に1回の頻度でトリミングを行ってあげましょう。
足裏や肛門周りのムダ毛処理に加えて、皮膚トラブル予防や外観を美しく保つために耳周りや胸周りなど伸びてきた毛を整えてあげると良いでしょう。

アイリッシュセッターのお手入れ②
~耳掃除~

アイリッシュセッターは、飾り毛が豊富で大きく垂れた耳を持っています。
垂れ耳の犬種は、耳の中の通気性が悪く外耳炎になりやすいので、定期的に耳掃除をしてあげましょう。

◆耳掃除のやり方

  • 耳の中にイヤークリーナーを垂らす。
  • 耳の根元のコリコリとした部分を親指と人差し指で軽く揉んで「クチュクチュ」音を立てながら2~3分マッサージする。
  • 手を離して、犬に体をブルブルさせることで、汚れと一緒に耳の中のクリーナーが出てきます。
    自分でブルブルしない場合には耳に息を吹きかけるとブルブルしてくれるでしょう。
  • 残りの汚れと耳の中に残っているイヤークリーナーをコットンで拭き取ってあげる。

アイリッシュセッターの注意する病気

アイリッシュセッターは、平均寿命12~15年と大型犬では比較的長寿で健康的な犬種です。ーは、
それでも、かかりやすい病気があるのは他犬種と変わりありません。
特に進行性網膜萎縮症、胃捻転、股関節形成不全、外耳炎、皮膚疾患に気を付けましょう。

アイリッシュセッターの注意する病気①
~進行性網膜萎縮症~

進行性網膜萎縮は遺伝的疾患の1つで、目の網膜が委縮して、目が見えづらくなり最終的には失明してしまう病気です。初期のうちは夜に見えづらくなりますが、外見上では見分けがつきません。
暗いときの外出を嫌がる、物につまずく、不安そうな様子が見られます。
進行性の病気のため、症状が見られたらすぐに動物病院で診察しましょう。
残念ながら予防法も治療法もないため、早期発見・早期治療が何より大切です。
そして、遺伝性疾患なので子犬を迎え入れる前に、両親犬ともに疾患がないかの確認を必ずするようにしましょう。

アイリッシュセッターの注意する病気②
~胃捻転~

大型犬に発症しやすい、胃がねじれてしまう病気です。
胃がねじれると周囲の血管や消化機能に影響を与え、胃の中でガスを発生させながら胃が膨らみ周囲の臓器まで圧迫します。ショックを起こすことによって最悪の場合死に至る病気です。
原因は詳しく分かっていませんが、加齢や、早食い早飲み、食後すぐの運動などによって発症しやすくなると言われており、発症は食後数時間経ってから、夜中~明け方に多い傾向があるようです。
腹部が膨らんで見える、嘔吐やゲップ、吐こうとしても吐けない、水を大量に飲む、食欲不振などの症状が見られます。
症状が現れたら、例え夜間であってもすぐに動物病院に連れて行きましょう。

アイリッシュセッターの注意する病気③
~股関節形成不全~

股関節形成不全は先天的な病気で、股の関節が異常に変形している状態のことです。
成長期の急激な体重の増加と活発に動くことで骨と筋肉のバランスが崩れ、生後6カ月頃から徐々に異常が見られるようになり、不自然な歩き方をする症状が見られます。
軽症であれば安静に過ごすことで関節が正常に成長するのを待ちますが、重症の場合には外科手術が必要となります。
親犬に股関節の異常が見られないかを確認することも大切ですが、子犬の頃から食事と運動のバランスをしっかり管理して、異常にすぐ気付けるよう日々観察していきましょう。

アイリッシュセッターの子犬の販売価格

アイリッシュセッターの子犬の販売価格は、だいたい15~20万円程度です。
ドッグショー向けの子犬やチャンピオン犬の子犬の場合は、これより高額になることがあります。
アイリッシュセッターは繁殖頭数が多くないため、ペットショップでは見かけることはないでしょう。
そのため、ブリーダーから購入する方法が一般的です。

アイリッシュセッターのさいごに

アイリッシュセッターは、長年一定の人気を維持し続けている犬種です。
明るく陽気な家族のムードメーカーとして、やんちゃで甘えん坊な子どものような存在として、タフでパワフルなスポーツやアウトドアのパートナーとして、たくさんのシーンでかけがえのない存在になってくれるでしょう。