コモンドールの基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介

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コモンドールの基本情報

コモンドールはハンガリーを原産とする代表的な犬種です。

非常に古くから存在する犬種で、長い間羊などの家畜の番犬として活躍してきました。

現在でもハンガリーやアメリカで現役として使役していますが、近年ではショードッグとしての方が人気が高いようです。

日本では、特徴的な被毛の手入れの大変さや、高温多湿の気候が適していないことから家庭犬として飼われていることが少なく、非常に珍しい犬種として知られています。

コモンドールの歴史

時間

コモンドールの歴史
~ルーツ~

コモンドールの生い立ちは、正確には分かっていませんが古くから存在する犬種だと言われています。

12世紀ごろに遊牧民族のクマン人がハンガリーに渡った時に連れていた牧羊犬が祖先犬と考えられており、クマン人たちの手によってハンガリー土着の牧羊犬と交配されて、現在のコモンドールの基礎になったと言われています。

1544年のハンガリーの書物で「クマン人の犬」を意味する「Koman-dor」という名前が初めて登場していますが、ちょうどこの頃から、犬のように忠実だと大切にされていた「ラッカ羊」と呼ばれる羊に似せて、意図的に選択繁殖されて現在の姿になったと言われています。

第二次大戦によって一時は絶滅の危機を迎えますが、繁殖家たちの努力があり血統を絶やすことなく生き延びてきました。

1933年には、初めてアメリカに渡り1937年にケネルクラブで認定されました。

コモンドールの歴史
~羊を守る護畜犬~

コモンドールは家畜をオオカミや泥棒から守る護畜犬・番犬として活躍していました。

コモンドールは羊の群れに紛れていても、羊とコモンドールの区別がつかず、いざ羊が襲われそうになると群れから飛び出して羊を守るため勇敢に立ち向かっていました。

モップのような被毛は、オオカミに噛みつかれても深い傷を負わないよう鎧のような役割を果たすために改良されたものです。

そして、オオカミをも追い払うことができる犬種だと評判を受け、優秀な警備犬としても活躍していました。

そして、印象の強い外見からコモンドールは、ドッグショーで評価されていくことになりました。

コモンドールの特徴

  • 頑健な大型犬
  • 被毛の下にはがっしり体型が
  • コートと呼ばれるフェルト状の被毛
  • 毛色はアイボリーに限る

コモンドールの特徴①
~モップのような被毛の下にはたくましい体~

コモンドールは、体高64~76cm体重40~60kgの大型犬に分類されます。

全身を毛に覆われているため体格が分かりずらいコモンドールではありますが、がっしりとした骨格に筋肉質で頑丈な体格を持っています。
太くしっかりとした四肢はやや短めでがっしりしています。

また被毛に隠れてはいますが、耳は垂れ耳で尻尾は垂れています。

コモンドールの特徴②
~毛質や毛色~

コモンドール最大の特徴であるモップのような被毛は、羊毛のような柔らかいアンダーコートと、巻き毛やウェーブがかった粗いオーバーコートからなっているダブルコートの犬種です。

オーバーコートがアンダーコートに巻き付くことで、「コード」と呼ばれるフェルト状の毛束ができます。

コモンドールの被毛は産まれてすぐに特徴的な被毛を持っているわけではなくプードルのような巻き毛をしています。
そこから「コード」になるまでには生まれてから約2年以上の期間を要します。

毛色は、黄みがかった白色の「アイボリー(象牙色)」に限られます。

コモンドールの価格相場

子犬の価格相場

コモンドールの子犬の販売価格は、50万円前後です。

しかし、日本国内でコモンドールを繁殖しているブリーダーは残念ながらほとんどありません。
そのため、海外輸入での購入が一般的となり、手数料や輸送費なども必要となることからそれほど高額な金額が必要となります。

さらに、子犬の費用は、子犬の性別や親犬のドッグショーでの成績、さらにドッグショーに適しているかの容姿などによっても異なり、輸入費を含めるとこれより高額になるケースもあります。

コモンドールの子犬を迎えるなら「海外輸入」で

日本国内での入手が難しいコモンドールですが、それほど日本の気候に適さない犬種であるということ、コモンドール独特のスタイルを維持するための手入れが大変であるということを理解して迎え入れる覚悟をしておかなければなりません。

コモンドールを適した環境を準備して育てられるのか、飼う前にしっかり検討した上で迎え入れる必要があるのです。

十分な検討のうえで迎え入れることになった場合には、海外からの輸入で迎える方法が一般的となります。

犬の輸入は、仕出国や地域によって、複雑な手続きが必要になることもあります。
個人で輸入する場合には、必要な手続きを事前に調べておくようにしましょう。

大手のペットショップでは、輸入を代行していることもあるようです。
迎え入れるためにどうしたら良いか分からないという場合には、一度ペットショップに相談してみると良いでしょう。

いずれにしても、輸入の場合、基本的に直に子犬を見て決めることができません。

だからこそ信頼できるブリーダーを選ぶ必要があります。

できるだけ子犬の健康状態や親犬の情報などを確認し、動画で子犬の様子を確認してから迎え入れるようにしましょう。

コモンドールの性格・気質

  • 物静かに過ごすことが多い
  • 仕事熱心で献身的
  • 支配欲が強いため、リーダーが必要
  • いざという時に頼りになる性格

コモンドールの性格・気質①
~頼りがいのある勇敢な犬~

基本的には穏やかで物静かに過ごすことが多く、番犬の本能からじっと見張ったり監視する作業を好む仕事熱心な犬種です。

それでも、必要と感じれば勇敢に行動する頼りがいのある性格を持っています。

子どもや他のペットなど、自分よりも下の立場と見なした相手がいれば、保護本能が働いて面倒を見てくれるような性格の持ち主です。

コモンドールの性格・気質②
~信頼できるリーダーが必要~

強い独立心と頑固な面を持ち、さらに支配欲が強い性格を持っています。

警戒心が強いので知らない人には距離を置き、知らない犬に対しては攻撃的になることもあるでしょう。

コモンドールは初心者が飼育するのは難しく、強くて信頼できるリーダーとなれる人が飼い主でないといけません。

コモンドールの性格・気質③
~オスとメスの違い~

コモンドールのオスは、メスよりも勇敢で仕事熱心な性格をしているようです。
また支配欲が強い面もメスより強くあるようです。

一方でメスのコモンドールは、オスよりも比較的穏やかに過ごしますが、オスよりも警戒心が強い傾向にあるようです。

コモンドールの飼い方・しつけ

コモンドールの飼い方①
~日本で飼育するには?~

コモンドールは、全身を厚い被毛に覆われているため熱がこもりやすく、暑さが苦手な犬種です。

夏でも平均温度が22度前後にしかならないハンガリーを原産とする犬種なので、東北や北海道など涼しい地域は除きますが、基本的に日本の気候では飼育するのは難しい犬種だと言えます。

日本国内で飼育するためには、空調管理が行える室内での飼育が必要です。

護畜犬として広大な大地を駆け回って過ごしていた大型犬でもあるため、広い飼育スペースを確保する必要もあります。

コモンドールの飼い方②
~運動~

コモンドールは、体も大きく、かつては広大な敷地を家畜と走り回っていたような犬種のため、十分な運動量が必要です。

毎日の散歩に加えて、ディスクやボール投げなどで飛び跳ねさせるような活発な運動をさせてあげましょう。

散歩は1日2回、それぞれ1時間以上を目安に行いましょう。

運動不足になると、ストレスから反抗的になったり問題行動を起こしてしまうこともあるようです。
運動不足にならないよう十分に注意してあげましょう。

また夏場の散歩では、例え東北や北海道などの涼しい地であっても、コモンドールの体調に注意して行いましょう。

コモンドールのしつけ①
~しつけのコツ~

護畜犬として、自分で考えて行動する賢さを持つコモンドールですが、支配的な性格でもあるため、飼い主がコモンドールのリーダーになれないと問題行動の多い犬になってしまうでしょう。

そのため、初心者でのしつけは困難です。

甘やかし過ぎたり優しいだけの接し方でなく、コモンドールにとって強くて厳しいリーダーにならなければなりません。

それでも、決して体罰や冷たく叱りつけるような厳しさではなく、一貫性ある対応で威厳を持った態度で、メリハリを持ってしつけていきましょう。

コモンドールのしつけ②
~社会性を身に付けさせること~

警戒心が強く、刺激を受けると大胆に行動する犬種です。

いざという時に制御できるよう訓練していくことも大切ですが、オオカミと闘うほどの強い犬種でもあるので、出来る限りどんな刺激にも落ち着いて対処できるよう予め社会性を身に付けさせておきましょう。

子犬のころから積極的に外に連れ出して、様々な人や動物、音や場面に慣れさせておきましょう。

育て方によっては見知らぬ人や犬との社交性を身に付けることも可能です。

コモンドールのしつけ③
~吠え癖~

コモンドールは元々番犬だったので警戒心や縄張り意識が強いため、吠え癖がつきやすい傾向にあるようです。
そのため、子犬のころから吠え癖がつかないよう接していかなければなりません。

犬にとって吠えるという行動は、ごく自然な本能的な行動です。
そのため、根気強く向き合っていきましょう。

吠えている時に厳しく叱りつけたりするのは逆効果にもなります。
「ハウス」や「おすわり」などの指示を出すだけで落ち着きを取り戻せるようにしつけていきましょう。

コモンドールのお手入れ

コモンドールのお手入れ①
~被毛の手入れ~

コモンドールを飼育する上で一番苦労することになるのが、コモンドール最大の特徴であるモップのような被毛のお手入れです。

ドッグショーに参加させるのであれば、特に大掛かりなお手入れが必要になるでしょう。

フェルト状の被毛には、汚れやほこりがつきやすく、こまめに取り除いてあげなければなりません。

それでも他犬種のようなブラッシングではなく、フェルト状になったコードを1本1本割きながらほこりやよごれを手で取り除いてあげる必要があります。

シャンプーをする際にも、コードが解けないよう1本1本丁寧に洗わなければなりません。

さらに、濡れた被毛を乾かすことにも多くの時間を要し、これら全てのお手入れをするためには、ほぼ丸1日かかります。

ドッグショーに出陳する飼い主にとっても手入れが難しい犬種だと言われています。

コモンドールのお手入れ②
~トリミングは必要?~

特徴的であるコート状の被毛にするためのトリミングはほとんど必要ありません。

ただし、手入れがあまりにも大変なためにペットとして飼われているコモンドールは、コートを刈り取られていることも少なくないようです。

コモンドールらしい外見ではなくなってしまいますが、一見プードルにも似た雰囲気が楽しめますよ。

それでも一度カットしてしまうと、再び本来の姿に戻すとなると年単位での時間がまた必要になるので、よく検討してからにした方が良いでしょう。

また被毛に隠れた垂れ耳は、通気性が悪く外耳炎になりやすい特徴があるため、よく注意してこまめな耳掃除をしてあげるようにしましょう。。

コモンドールの注意する病気

コモンドールの平均寿命は、だいたい10~12歳です。
大型犬としては平均的な寿命と言えるでしょう。

基本的には健康的な犬種ですが、かかりやすい病気もあり、さらにコモンドールの体質に適さない高温多湿な日本での飼育では気を付けなくてはいけない病気もいくつか出てきます。

大型犬に好発しやすい「股関節形成不全」や「胃捻転」、さらに独特な毛質から「皮膚病」に注意しなければなりません。
また、顔の毛を伸ばすことも多いため「眼疾患」などにも注意しなければなりません。

病院,病気

コモンドールの注意する病気①
~股関節形成不全~

股関節形成不全は先天的な病気で、股の関節が異常に変形している状態のことです。

成長期の急激な体重の増加と活発に動くことで骨と筋肉のバランスが崩れ、生後6カ月頃から徐々に異常が見られるようになり、不自然な歩き方をする症状が見られます。

軽症であれば安静に過ごすことで関節が正常に成長するのを待ちますが、重症の場合には外科手術が必要となります。

親犬に股関節の異常が見られないかを確認することも大切ですが、子犬の頃から食事と運動のバランスをしっかり管理して、異常にすぐ気付けるよう日々観察していきましょう。

コモンドールの注意する病気②
~胃捻転~

大型犬に発症しやすい、胃がねじれてしまう病気です。

胃がねじれると周囲の血管や消化機能に影響を与え、胃の中でガスを発生させながら胃が膨らみ周囲の臓器まで圧迫します。
ショックを起こすことによって最悪の場合死に至る病気です。

原因は詳しく分かっていませんが、加齢や、早食い早飲み、食後すぐの運動などによって発症しやすくなると言われており、発症は食後数時間経ってから、夜中~明け方に多い傾向があるようです。

腹部が膨らんで見える、嘔吐やゲップ、吐こうとしても吐けない、水を大量に飲む、食欲不振などの症状が見られます。

症状が現れたら、例え夜間であってもすぐに動物病院に連れて行きましょう。

コモンドールの注意する病気③
~皮膚病~

日本の高温多湿の環境は、厚い被毛に覆われたコモンドールにとって皮膚病を起こしやすい環境です。

ダニ・ノミ寄生や真菌性・細菌性皮膚炎、脂漏症などに注意しましょう。

しきりに体を掻きたがる、皮膚にかゆみや赤み、脱毛などの症状が見られます。

日頃から皮膚を清潔に保つことで予防ができる病気ですので、こまめにお手入れをしてあげましょう。

コモンドールのミックス犬

近年人気の高いミックス犬ですが、コモンドールは純血種でも国内で見かけることがほとんどない希少な犬種です。
そのため、ミックス犬においても国内で飼われていることは、確認できませんでした。

しかし、地元ハンガリーを中心としたヨーロッパでは、コモンドールのミックス犬も多くはありませんが存在しているようです。

ミックス犬①『コモンドール×カンガールドッグ』

別名「カラバシュ」とも呼ばれる超大型犬「カンガールドッグ」とのミックス犬です。

コモンドール同様、家畜の護衛に使役されていた大きくて強い犬種です。
カンガールドッグは短毛の毛質をしているため、どちらの犬種に似るかによっても全く異なる印象になるでしょう。

コモンドールを飼うのに向いている飼い主は?

コモンドールは、見た目通りの特殊な犬種です。
そのため初心者が飼育するのは難しく、上級者向けの犬種だと言えるでしょう。

また、北海道や東北などの涼しい地域でない場合の飼育も難しいと言えます。

それだけでなく、コモンドールのリーダーとなってしつけがしっかりと行える人、さらに特徴的な被毛のお手入れや十分な運動の時間が確保できる人に向いている犬種です。

もちろん体重40~60kgもの大型犬ですので、エサ代やトリミング代などの飼育費用も嵩張ります。

さらに日本の気候に適さないため、ほとんど年中、空調管理が必要にもなってくるため、電気代も考慮しておいた方が良いでしょう。

そういった点から、経済的余裕があるかどうかもコモンドールを飼う上での必須条件となるでしょう。

マンションでも飼育できる?

コモンドールは、その体の大きさからもある程度広い飼育スペースが必要ですが基本的には穏やかに物静かに過ごすことが多いため、マンションでも飼育できないことはないようです。

しかし、鳴き声も大きく吠え癖がつきやすい点には、十分に注意しておかなければならないでしょう。

小さな子どもや高齢者がいる家庭でも飼育できる?

飼い主家族に対してはとても愛情深く穏やかな犬種なので、小さな子どもさんや高齢者がいらっしゃるご家庭でも飼育することはできるでしょう。

特に子どもなどを自分よりも弱い立場だと認識すると、優しく接し守ろうとする特徴も見られるようです。

コモンドールとプーリーの違い

巨大なモップのような外見を持つコモンドールですが、同じくモップのような外見を持つ「プーリー」という犬種があります。

コモンドール同様、ハンガリーを原産とする犬種で、家畜を守るための犬として作出された犬種です。

ただし、コモンドールとは体のサイズに違いがあり、大型のコモンドールに対し、プーリーは体重10~15kg程度の中型犬に当たります。

また、毛色がアイボリーに限られるコモンドールとは異なり、プーリーには黒一色、白、グレイ、クリームの毛色を持つ個体が存在します。

同じハンガリーで牧畜犬として家畜を守ってきた両犬種ですが、役割はそれぞれ異なり、家畜を襲おうとするオオカミなどの外敵からの危険を察知したプーリーが周囲へ呼びかける役割を担い、それを聞きつけたコモンドールが外敵と戦うという役割分担がされていたそうです。

この記事のまとめ


コモンドールはこんな犬
  • モップのような外見の大型犬
  • 性格:基本的には物静かで穏やかだが、時に勇敢でたくましい犬。支配欲・警戒心が強い。
  • 被毛:巻き毛やウェーブがかった粗い長毛種
  • 毛色:アイボリー(象牙色)に限る
  • 気を付けたいしつけ:支配欲の強さに注意。飼い主がリーダーとなること。吠え癖に注意。
  • 注意したい病気:「股関節形成不全」「胃捻転」「皮膚病」「眼疾患」など
  • 子犬の販売価格:50万円程度。入手方法は海外輸入が一般的。
  • 平均寿命:だいたい10~12歳
  • 日本の気候に適さない犬種。飼育には気温の十分な配慮が必要。
  • 初心者向き犬種ではなく、お手入れ・しつけに自信のある上級者向けの犬種。

コモンドールについて さいごに

コモンドールは、日本の気候に合わない体質を持ち、独特な被毛の手入れに要する時間や飼育するための環境作りに時間も費用も要す犬種です。

性格面からも飼育するのが難しい犬種だと言えるでしょう。

それほど大変な犬ではありますが、「手がかかるほどかわいい」とも言われる通り、独特な見た目や性格はコモンドール最大の魅力ともなるでしょ