チベタンスパニエルの基本情報!歴史や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介!

チベタンスパニエルの基本情報

  • 原産国:チベット(小型犬)

  • 体高:25cm程度

  • 体重:4~7kg

  • 毛色:すべての毛色及びそのミックス

チベタンスパニエルという名前ですがスパニエル種ではありません。

本来のスパニエル(猟犬)という意味ではなく、呼び名のようなもので英語圏ではティビーと呼ばれています。

中国原産のペキニーズや日本が原産国だといわれている狆(チン)も、チベタンスパニエルと同じ血統を継いでいるといわれています。

チベタンスパニエルを飼いたいと思ったら?

チベタンスパニエルを飼うにはどこで見つけたらいのでしょうか。

ペキニーズや狆(チン)はペットショップでも見ることができますが、チベタンスパニエルを店頭で見かけることはまずありません。

チベタンスパニエルを手に入れるにはどんな方法があるのでしょうか。

◆インターネットでチベタンスパニエルのブリーダーを探す◆

JKCでの登録犬数が28頭(2016年)という希少犬種ですが、ブリーダーが全くいないわけではありません。

チベタンスパニエルは繁殖頭数の少ない犬種のため、ブリーダーはインターネットなどを使って全国から探す必要があります。

探す窓口がインターネットであっても、必ず現地に出向いてブリーダーの話を聞きましょう。

チベタンスパニエルの飼育状態や繁殖場の環境などを知るためには必要なことです。

JKCなどが開催するチベタンスパニエルのドックショーを見学に行く◆

チベタンスパニエルは希少犬種のため、オーナーの話を直接聞く機会はめったにありません。

JKCなどで開催されているドックショーでは、ブリーダーだけではなく多くのチベタンスパニエルのオーナーも参加しています。

会場ではオーナーから、子犬の入手方法やブリーダーの選び方、飼い方やしつけなどについてたくさんの話を聞くことができます。

また、ドックショーにはブリーダーの育てているチベタンスパニエルも多く参加しています。

好みのチベタンスパニエルがいたらブリーダーに声をかけて話を聞いてみるのもいいでしょう。

是非一度チベタンスパニエルのドックショーに出かけてみてください。

チベタンスパニエルの歴史

古い歴史があり、チベットの仏教と深い関わりを持つチベタンスパニエルには、どんな歴史があるのでしょう。

チベタンスパニエルは神聖な獅子の化身?

ヒマラヤのチベットが原産のチベタンスパニエルは、紀元前1000年以上も前に存在していたといわれるほど古い歴史のある犬種です。

起源は諸説ありますがはっきりしたことはわかっていません。

チベタンスパニエルはチベット仏教の歴史と重要な関わりを持っています。

チベット仏教では獅子が寺院のシンボルとして崇められていました。

人に忠実で獅子によく似た姿をした原種のチベタンスパニエルは、神聖な獅子の化身として僧侶達に尊ばれ大切にされていました。

中国仏教でも同じように原種のペキニーズが獅子の化身として神聖化されており、隣国であった両国間では、互いの犬を高貴な人への贈り物とし交換し合ったとされています。

それによって異種交配され現姿のチベタンスパニエルやペキニーズになったといわれています。

チベタンスパニエルは祈祷犬だった!

チベタンスパニエルは寺院の一番高い壁の上に座ることを許され、不審者やオオカミなど危険を知らせる番犬の役目を果たしていました。

また、教文の書かれた「マニ車」という祈祷輪転仏具を回す祈祷犬の役目もしていました。

人と犬で「マニ車」をたくさん回すことでより多くの功徳が得られると言われています。

この役目をする犬のことを勤行犬と呼び、チベタンスパニエルは福を呼ぶ魔除け犬として大切にされていました。

チベタンスパニエルは奇跡の犬種!

チベタンスパニエルが初めてヨーロッパに持ち込まれたのは1898年のイギリスです。

1920年にグリーク夫妻によって本格的に繁殖が始まりました。

しかし第二次世界大戦が始まり、ほぼ全滅したと思われたチベタンスパニエルですが、グリーク夫婦の繁殖したチベタンスパニエルの1匹だけが生き残り、現在まで子孫が繋がっているという奇跡の犬種です。

発情期が少ないチベタンスパニエルは繁殖が難しく、世界的には20世紀中頃まで希少犬種とされていました。

その後も同じ血統を持つといわれるペキニーズやシーズーなどの流行犬種に押され、人気犬種にはならず一定の頭数を保っています。

歴史の古い犬種ですが、公認されたのはイギリス1960年、アメリカ1980年と比較的最近です。

チベタンスパニエルの特徴 

チベタンスパニエルの体の特徴

体高よりも体長のほうが長い安定感のある体躯をしています。

マズルが短く垂れ耳で、頭が体より小さく、アンダー・ショットやレベルバイトという下顎が少し出た独特な噛み合わせをしています。

少しカーブのある前脚をしており、うさぎの脚先に似ています。

メス犬の発情期間は小型犬で通常6ヶ月~8ヶ月に1回ありますが、チベタンスパニエルは次の発情期まで1年~1年半以上と長く、多くの繁殖を望めないため希少犬種の一因となっています。

チベタンスパニエルの被毛と毛色

被毛は絹のように柔らかいダブルコートで、短毛からミディアムまであります。

耳や前脚は豊かな羽根毛で覆われています。

特にオス犬には首のまわりに獅子のたてがみのような長毛が生えています。

尻尾は巻尾で、背中まで届く柔らかなふさふさとした羽根毛の飾尾が特徴的です。

毛色は単色からミックスまで多種多様で、ブラック・セーブル・ゴールド・レッド・フォーン・セーブル・トイカラーなど、さまざまな毛色があり全ての毛色が認められています。

チベタンスパニエル

チベタンスパニエルの性格・気質

チベタンスパニエルは猫のように気まぐれ?

チベタンスパニエルは小型犬ながら気も強く、独立心があり動きも俊敏です。

飼い主の命令を待たず自己判断できる頭のいい犬種ですから、プライドも高く頑固なところがあり猫のように気まぐれな面も持ち合わせています。

もともと番犬でもあったことから飼い主にはとても忠実ですが、その反面見知らぬ人や他犬に対しては警戒心が強く攻撃的になってしまうこともあります。

チベタンスパニエルは人見知りの恥ずかしがり屋?

家族の前では人懐っこく愛嬌のある仕草を見せてくれるチベタンスパニエルですが、知らない人には極端に無想な態度になって人見知りするところがあります。

喜怒哀楽、好き嫌いの感情表現が顔に表れやすい表情の豊かな犬種といえるでしょう。

心を許した家族には穏やかで愛情深く、マイペースでち着きのあるチベタンスパニエルは、家族を癒してくれる最高のパートナーになってくれるでしょう。

チベタンスパニエルの飼い方・しつけ

◆チベタンスパニエルの運動と散歩

チベタンスパニエルは小型犬であり、カーブした前足の形状からも過激な運動は必要ありません。

散歩は毎日1回、20分~30分程度で十分です。

散歩は運動のためだけではなく、子犬の頃から知らない人や他犬に触れ社会性を身につけるためにも必要です。

◆チベタンスパニエルのしつけ方

自立心があり、頑固でマイペースなところのあるチベタンスパニエルには、子犬の頃からしっかりとした主従関係を作り、善いことと悪いことをしっかり教える必要があります。

チベタンスパニエルは番犬であったことから警戒心が強く、見知らぬ者には吠えるという習性があります。

チベタンスパニエルを愛玩犬として飼う場合には、必要以上に吠えないようにするしつけが必要です。

来客や訪問者には警戒して攻撃的になることもありますので、来客時はクレートやサークルなどに入って待てるようしつけておきましょう。

明るい性格ですが、何度叱っても懲りないところがあります。

しつけには少し時間がかかるかもしれませんが、諦めず根気よくしつけましょう。

チベタンスパニエルのお手入れ

チベタンスパニエルの被毛のお手入れ

チベタンスパニエルの被毛は短毛と長毛のダブルコートですが、体が小さいため抜け毛はそれほど多くありません。

被毛の手入れは、週2~3回コームやスリッカーブラシを使ってブラッシングし、月に1回程度定期的にシャンプーをしてあげるだけで十分です。

特に耳や首、尻尾などの長い飾毛は絡まりやすく、すぐに毛玉になってしまいますので丁寧に梳かしてあげましょう。

長毛種ですが足裏のパットの毛をカットする以外に、トリミングはしない珍しい犬種です。

チベタンスパニエルの歯磨き

マズルトレーニング:子犬の頃から体を触られることに慣れさせ、口やマズルを嫌がらずに触らせるマズルトレーニングからはじめます。

唇を持ち上げる:マズルトレーニングに慣れたら口を開く訓練に進みましょう。

片手であごを下から持ち、もう片方の手で上唇を優しく持ち上げます。

慣れたら指で軽く歯を触る訓練を繰り返します。

ここまで出来るとガーゼで歯の表面を拭いてやることができるようになります。

口を開かせる:最後に口を開かせるトレーニングに入ります。
上顎の犬歯のうしろから指を入れ上顎を持ち上げる訓練をします。

無理やり開こうとせず少しずつ大きく口が開くようにしていきます。
上手くできたときはたくさん褒めてやり、必ずご褒美をあげましょう。

ガーゼや歯ブラシで歯を磨く:歯ブラシを使う前にガーゼで歯を磨くことからはじめます。

湿らせたガーゼを指に巻き最初は前歯から磨き、慣れてきたら奥歯、歯の裏へと進めていきましょう。

歯ブラシはガーゼ磨きに十分慣れてから使います。

歯ブラシは指のような感触がないので、力を入れ過ぎないようにしましょう。

チベタンスパニエルの注意する病気

チベタンスパニエルは遺伝性疾患の少ない健康な犬種ですが、小型犬がなりやすい病気には気をつける必要があります。

症状だけでどの病気かを素人判断するのはとても危険です。

少しでも気になる症状がみられた場合は、すぐにかかりつけの獣医師の診断を受けましょう。

チベタンスパニエルの注意する病気その① 膝蓋骨脱臼 

膝蓋骨脱臼は、後ろ脚の膝蓋骨が正常な位置から外れ、脱臼した状態になる病気です。

気づかずにそのままにしていると悪化して、骨が変形したり、靭帯が伸びてしまったりします。

膝蓋骨脱臼の予防には膝に負担をかけないようにすることが一番です。
滑るフローリングの床にはカーペットやコルクマットなどを敷きましょう。

チベタンスパニエルは他の犬種と違って前脚が少しカーブしているので、ベッドやソファから飛び降りたりすると、体重がかかり過ぎて骨折する場合がありますので注意が必要です。

チベタンスパニエルの注意する病気その② 呼吸困難と熱中症

鼻が短い短頭種のため、軟口蓋過長や気道狭窄などで呼吸困難をおこすことがあります。

夏の暑さには特に弱く、呼吸がしにくいためパンティングも多くなり体力を消耗します。

熱中症にも注意して真夏の散歩は控え、室内の適切な温度管理が大切です。

チベタンスパニエルのこぼれ話

紀元前1000年の頃から、チベットの寺院で神聖な犬として崇められていたチベタンスパニエルですが、公認純粋犬としての歴史は浅く、完全に固定された犬種ではないといわれています。

チベタンスパニエルの素晴らしさは自然体にある!

AKC(アメリカ・ケンネル・クラブ)のドックショーに出場できるチベタンスパニエルの犬種基準では、被毛にトリミングやクリッピングなど、人工的に手を入れられたチベタンスパニエルは失格になるほどの減点になるそうです。

顔のヒゲや足先の毛を切ることも許されず、カットが許されているのは事故防止と衛生のための足裏だけです。

ドックショーでのチベタンスパニエルは自然な状態の被毛でなければならないとされています。

Shake and Show Dogと言われ、体のほこりを払うだけでドックショーに出られる犬と、揶揄されることもあるチベタンスパニエルですが、それだけ素のままの姿を厳しく評価される犬種だといえるでしょう。

これはチベタンスパニエルに限らず、日頃の被毛のお手入れや食事、運動すべての管理が行き届いた犬すべてに当てはまる、正当な評価なのではないでしょうか。

日本ではまだまだ希少犬種ですが、これからもっとチベタンスパニエルの素晴らしさを愛する飼い主が増えるといいですね。