保護犬を引き取りたいと思ったら?


 

保護犬を引き取るには

さまざまな理由で行き場を失った犬は警察や保健所、動物愛護センター、NPO法人の保護団体や個人の保護団体などで保護されています。

それぞれの場所から引き取ることができますが、譲り受けるためのさまざまな規約や制限などがあります。

警察に保護された犬を引き取りたいとき

地元の交番などに迷い犬として連れて来られた場合は遺失物として処理され、2~3日は留め置かれますが、その後は管轄の保健所や動物愛護センターに送られます。

大きな警察署などの場合は2~4週間程度置いてくれることもあります。

迷い犬を見つけて警察に届けた犬をその場で自分が引き取ることはできません。

もし、遺失物保管期限までに飼い主が現れない場合は引き取りが可能になりますので、その旨伝えておく必要があります。

保健所・動物愛護センターに保護された犬の引き取り

飼い主の直接持ち込みや警察などに迷い犬として届けられた犬、捕獲された野犬などが保護されています。

保管期限は施設によって違いますが、概ね2週間です。

定期的に譲渡会を開き新しい飼い主を募集しています。

譲渡対象になる犬はほとんどが雑種か、純血種であっても成犬です。

子犬もいますが野犬から生まれた子で、成犬になると中型犬以上の大きさになることを納得して引き取る必要があります。

1.譲渡会の申し込み

各自治体によって多少の違いはありますが、事前に下記の申請書類を提出します。

申請書類は各動物愛護センターに請求するかネットからダウンロードできます。

・犬の譲渡申請書

・調査票

・犬の譲渡に関するアンケート

2.書類審査及び電話での聞き取り調査

申請書類が受理された後に電話による聞き取り調査があります。

3.譲渡会と譲渡前講習会について

審査後、譲渡可能となった人のみ譲渡会に参加することができます。

当日は譲渡前講習を受け、その後に譲渡候補になっている犬に面会することができます。

譲渡会に出る犬はその時々で違ってきます。

希望の犬がいるかどうかは前日か当日に確認しておきましょう。

✳申請登録の有効期限や定期譲渡会の日程等は各地センターにお問い合わせ下さい。

犬を保護している団体について

平成24年に改定、平成25年9月に施行された動物愛護管理法により、管轄する都道府県は保護動物を動物保護団体や個人に譲渡し委託することができるようになりました。

都道府県により正式に委託連携した保護団体は公表されています。

都道府県より委託された保護団体には、NPO法人のようにシェルター(保護施設)を持っている大きな保護団体と、個人が保護主となり、預かりボランティアさんなどの協力により保護活動をしている個人保護団体があります。

保護団体から保護犬を譲り受けるには?

保護団体には保健所や愛護センターからの保護犬だけではなく、劣悪なブリーダーからの繁殖廃棄犬や事情のある個人からのレスキュー犬なども引き取られています。

それぞれの保護団体が、飼い主を失った犬たちの新しい里親を見つけるためにさまざまな広報活動をしています。

まずは自分の住んでいる地域にはどのような保護団体があるのか、どのような活動をしているのかを知ることから始めましょう。

●保護団体のホームページやブログを見る

自分の地域にある保護団体のホームページやブログを見てみましょう。

それぞれの保護団体の保護犬に対する思いやポリシー、募集中の保護犬、譲渡会の日程、譲渡についての条件や譲渡までの流れ、譲渡にかかる負担金の内訳などを知ることができます。

保護団体にはその団体ならではの考え方や特色があります。

譲渡後の不信感やトラブルに繋がらないためにも、自分の考えや思いに近い保護団体を選ぶことが大切です。

●里親募集サイトで探す

多くの保護団体が里親募集サイトに募集中の保護犬を登録しています。

保護犬になるまでの経緯や現在の身体的精神的状況、性格や既往症の有無など、その保護犬についての詳細が記載されています。

譲渡の条件なども含めて、十分に納得した上で応募しましょう。

複数の応募がある場合でも、先着順ではなく保護主がその保護犬に最もふさわしい里親を選定します。

●譲渡会に行く

全ての保護団体が定期的に保護犬譲渡会を開いています。

実際に保護犬と触れ合えるのが譲渡会の最大のメリットです。

保護団体の人達や保護主さんと直接いろいろな話をすることができるので、不安なことや疑問点などが解消され安心して決めることができます。

保護犬の里親になるための条件とは?

保護犬の里親になるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

・保護犬に対する理解と愛情があること。

・終生飼育を確約できる。
(出産や転居などの将来のことも考慮すること)

・ペット飼育可の住宅に居住していること。
(戸建住宅か賃貸はペット可証明書が必要)

・家族全員が同意していること。

・完全室内飼育ができること。

・身分証明書を提示すること。

・譲渡動物にかかった医療費の一部負担。
(ワクチン接種費、不妊去勢手術費用等)

・譲渡契約書に署名押印。

かなり厳しい条件をクリアできなければ里親にはなれません。

1人暮らしの人や留守番の長い共働きの家庭、後見人のいない65才以上の高齢者などは断られることが多く、厳しすぎると批判もあります。

保護犬はペットショップの子犬とは違い、状況の差はあってもすべて人間が与えた悲しい過去を背負いながら生き延びてきた犬達です。

二度と同じ悲しみを味あわせないための条件だといえるでしょう。

クリアできない条件があっても、保護団体や保護主との話し合いで譲渡されることもあります。

あきらめずに多くの保護団体や保護主と話し合うことが大切です。

保護犬を引き取る準備

一番大切な準備は「覚悟を決めるこころ」

保護犬を引き取る準備には、ゲージやベットの用意などいくつもありますが、何より一番大切なのは「こころの準備」です。

保護犬にもさまざまな過去があり、悪質ブリーダーによって生まれてからずっとケージに閉じ込められ、人と触れ合うこともなく、散歩をすることすらも知らない犬もいます。

保護犬は共に生活してからも、いくつもの壁を乗り越えなければなりません。

どんな問題があっても諦めず最後まで責任を持つという「こころの覚悟」が必要になります。

家族全員が同じ思いを共有する

引き取る本人だけではなく、同居している家族の全員が保護犬に対して同じ思いを共有していることも大切な準備のひとつです。

迎える保護犬の経緯や既往症などの注意点などについても家族間で十分に話し合っておきましょう

保護犬を引き取ったら

幸せとは縁遠い過去をもつ保護犬にとって、慣れない環境での暮らしは不安で一杯です。

可愛いさや物珍しさで必要以上に構うのは止め、ケージなど安心して過ごせる場所で静かに休ませてあげましょう。

保護犬はすでに既往症を持っていることも多く、隠れていた病気が現れることもあります。

早めにかかりつけの動物病院を見つけておきましょう。

虐待を受けていた保護犬などは、こころに大きなトラウマを抱えています。

日頃は大人しく問題がない犬でも、食べ物やおもちゃへの執着、あるいは特定の場面で威嚇や噛みつきが出ることもあります。

保護犬が突然豹変しても、冷静さを忘れず愛情を持って対峙できるような心構えを持ちましょう。

最後に。

保護犬はペットショップの子犬のように真っ白なこころのキャンバスを持っているわけではありません。

心無い人間の手で踏みつけられ、汚れ、破れてしまったこころのキャンバスを、ゆっくりと修復し暖かな幸せ色に塗り替えてやることができるのも私達人間の手です。

苦労も手間もかかりますが、再び生まれ変わった新しい生命との絆は何よりも強く素晴らしいパートナーになってくれるでしょう。