犬のてんかんってどんな病気? Vol.2

前半のVol.1では、てんかんという病気はどのような犬種におこりやすいのか、その定義、またどのような症状がみられるかについて述べてきました。このVol.2では引き続き、てんかんはどのように診断されるか、どのように治療されるのか、発作がおこったときに気をつけることなどについてご説明していきたいと思います。

診断

てんかんの定義でも述べましたように、検査上明らかな異常を示さないものをてんかんと呼ぶので、その他の発作の原因となるような異常がないかの検査を行っていきます。

問診

発作時の様子は?どのようなとき起こるか?その発作が初回か?そうでなければ、どのくらいの頻度で発作をおこすか?初回時の発作の年齢は? →てんかんは一般的に5歳以下で発症し、多くは1〜2で初回発作をおこします。

血液生化学検査

低血糖症、低カルシウム症、急性腎不全、肝性脳症などの代謝性発作を除外します。

心電図検査

不整脈などのチェック、その他の循環器系異常がないかをチェックします。

神経学的検査

異常がある場合は、脳腫瘍、水頭症、脳炎、中毒、代謝性疾患の可能性があります。てんかんの場合は、異常所見がみとめられませんが、例外として、てんかん発作後7〜10日は一時的に検査に異常が出ますので、検査のタイミングの注意が必要です。

脳波検査、CT、MRI検査

一般的に、大学病院などの二次診療施設で行われる検査です。てんかん特有の脳波が認められるか、また画像で何か異常所見が得られるかの検査されます。

治療

てんかんと診断されたら、発作の頻度により治療を開始するかどうかが決まってきます。動物病院によっても若干やり方の違いがありますが、3ヶ月に2回以上発作をおこすようなら、治療をスタートします。
治療としては、内科的に抗てんかん薬の投与が一般的です。一般的に、70%は抗てんかん薬治療で効果が認められるとされています。この抗てんかん薬は色々な種類がありますので、獣医師がその症状や経過をみてお薬を選択します。
この薬は、毎日内服するもので、投薬を開始したら発作がおきていないからといって、勝手にやめることはできません。注意する点としましては、この治療のゴールは、発作を完全に止めることではなく、発作の回数を減らし、程度を軽くするということです。

発作がおこったときに気をつけること

てんかんの症状は、特に全般性発作の場合、その場に居合わせたご家族の方はかなり驚き、動転されることと思います。ただ、単発の短い発作で命を落とすことはまずありませんので、落ち着いて行動するよう心がけましょう。
泡を吹いているからといって、あわてて口の中に手をいれたり、ゆさぶって正気に戻そうとするような行動はあぶないのでやめましょう。てんかん発作時におこる二次的な事故をふせぐため、高いところからの転落や危険物への突進などに気をつけてあげましょう。
必ず、発作がはじまったら、時間をカウントしてどれくらい発作の時間が続いているか、また発作をおこした日時もメモしておきましょう。これは、今後の治療の目安にもなりますし、危険な状態を回避するのにも役立ちます。
発作が終わったかなと思ったのに、また次の発作がきてしまったり、発作が30分以上続く場合は、てんかん発作重責状態とよび、緊急の対応が必要になります。これは、放っておくと命にかかわってきますので、かならず動物病院にかけこんでください。

まとめ

てんかんと聞くと恐ろしい病気と思われる方も多いと思いますが、敵を知ることによって、慌てることなく、上手くつきあっていってあげましょう。どのような状況で発作がおこることが多いかなど、ご家族でないと分からない情報が多いのもこの病気の特徴ですから、よく日頃から愛犬の様子をみてあげてくださいね。