狆の基本情報や性格・特徴について。心配なしつけやお手入れ方法もご紹介


 

狆の基本情報

日本の座敷犬の始まりとされるのが「狆」という犬種です。

特に江戸時代で大事に大事にされてきた狆は、日本が原産国になります。

日本犬の中では1番小さい犬種で、おとなしくとても賢いのが特徴で、見た目は絹のような細い長毛がとても美しいのが魅力的です。

また、2017年(1月〜12月)のジャパンケネルクラブでの犬種登録数は、数多くある犬種の中、32位(506頭)と、トップのプードルが75,149頭なのと比べると、日本犬ではありますが、大変珍しい犬になります。

狆の歴史

狆は日本書紀にも登場する最古の日本犬

狆の歴史は古く、数ある日本犬の中で狆が日本初、世界公認犬種となりました。

狆の先祖犬は、奈良時代に新羅から日本の宮廷に献上されたのが始まりと考えられています。

その後長い年月を経て、なんども改良を繰り返し、現在の狆の姿になりました。

私たちの先祖が、こだわりを重ねて生まれた狆は、日本という歴史と文化を今も引き継ぐ、生きた日本文化なのです。

狆は徳川綱吉に大変愛された犬

江戸時代には、徳川綱吉が狆を大変かわいがり、江戸城の中で飼われていたという記録があります。

徳川綱吉は「生類憐みの令」でお馴染みの将軍です。

動物を深く愛した徳川綱吉は、特に狆をとてもかわいがり、狆専用の部屋まであったといいます。

狆の海外デビューはペリーがきっかけ

狆が海外でも知られるようになったのは、ペリーの来航がきっかけといわれています。

1853年にペリーが日本に来航した際、日本からの贈り物として狆が含まれていました。

そしてその狆はアメリカに持ち帰られ、そこから1組の狆がイギリス女王に献上されました。

狆は日本より海外で多く生活!?

かつて狆は日本で誕生し、その時代時代の人々に深く愛されてきました。

でも悲しいことに、世界大戦や多くの大震災などを繰り返し、日本で生活する狆は一気に減ってしまい、現在ではアメリカや欧米で暮らす狆の数の方が多くなりました。

日本で探すのが困難になった狆は、海外から逆輸入され、日本に戻ってくるケースも多い現在です。

狆の名前の由来

狆という名前はどこからきたのでしょうか。

そもそも「狆」という漢字は中国にはなく、日本で生まれた和製漢字になります。

狆は体がとても小さいことから、当初、「ちいさいいぬ」と呼ばれていたのが、「ちいさいぬ」「ちいぬ」「ちぬ」と変化をし、最終的に「ちん」となったと考えられています。

その昔、日本では犬は外で飼うものとされていましたが、狆は完全に室内飼いだったことから、「狆」は犬と猫の中間の動物という意味も込められていたようです。

狆の特徴

  • 大きさ:小型犬
  • 体重:1.5〜6.8kg
  • 体高:20.0〜27.0cm
  • 被毛の種類:シングルコート(ダブルコートもあり)
  • 被毛の長さ:長毛種
  • 被毛の毛色:ブラック&ホワイト レッド&ホワイト(毛色は2色とされていて、稀に3色混じる狆がいますが、ミスカラーとされています)

狆の身体的特徴

狆の身体は体高と体長がほぼ同じ長さで、正方形の形をしています。

身体は小さいですが締まっていて、全体的に丸いフォルムが特徴的です。

そして、チャーミングなポイントはやはり顔つきにあり、少し離れ気味な大きな目と短いマズルが狆独のかわいさになっています。

狆の性格・気質

狆は愛玩犬のお手本

よく小型犬は吠えやすく、気が強いなんて言われますが、狆は基本的に無駄吠えをしません。

元々、お屋敷で大事に可愛がられてきた育ち方をしているため、おしとやかという言葉がぴったり当てはまる動きをします。

その動きは犬というより、猫を思わせることもあります。

狆は表情豊かで賢い

狆は常に人に寄り添って生きてきました。

そのため、人の心の変化に敏感で、家族の気持ちを即座に察知し、一緒に喜んだり悲しんだり喜怒哀楽を共にしてくれます。

また、とても賢いので、しつけもすんなり学習できます。

狆は静かに飼い主のことを見て観察しますので、飼い主さんの性格に似てくる狆も少なくないかもしれません。

狆を甘やかせると果てしなく…

狆はおとなしく、物を壊したり、吠えて止まらないなどという問題はあまり起こしません。

ただ、元々愛玩犬として生きてきた犬なので、甘え方を熟知しています。

本当に可愛く甘えてくるので、飼い主もついつい甘やかしてしまいます。

そうすると、狆が持つプライドの高さが着々と際立ち、扱い難い犬になってしまうことがあるので注意が必要です。

狆は番犬にはなりません

狆は警戒心が強い傾向にあり、知らないものを怖がります。

そのため、社会化がうまくできていないと、神経質な臆病犬になってしまうことが多いです。

ただ、警戒心が強い=縄張り意識が強く、知らないものや人に吠えるということはないので、番犬には向きません。

また、人懐こい性格も兼ね備えているので、子犬の頃から人と接するようにさせることで、どんな人とでも仲良くすることができます。

狆の飼い方・しつけ

狆はご紹介したとおり、元々の性格がおとなしく賢いので、犬を飼うのが初めての人にも、割と苦労なく飼える犬種になります。

また、無駄吠えがない犬なので、マンションなどの集合住宅でも安心して飼えます。

まず飼い方のポイントが3つあります。

1. 狆は完全室内飼いをする

長い歴史を見ても、狆は外で生活をしたことがありません。

身体的にみても、日本の四季の温度変化に対応できる体の作りではないので、完全室内飼いをする必要があります。

また狆は、短頭種の為高温多湿になる夏は、温度や湿度をしっかり管理してあげないと、室内にいても熱中症になってしまう可能性があるので注意が必要です。

2. 狆は小さくケガしやすいので、子供がいる家は注意

狆は吠えにくく、攻撃性もないとされる犬なので、小さな子供にも安全と思えます。

ただし、子供にとって安全でも、犬にとって安全じゃないことがあります。

子供の場合、それが痛いのかどうかのさじ加減がわからず、犬が反撃してこないため、つい乱暴に扱い、狆をケガさせてしまうことがあります。

小さな子供がいる家庭の場合、ちゃんと監視できる環境にいるかどうかがポイントになります。

3. 狆は長時間の留守番には向きません

狆はとにかく家族と一緒にいるのが幸せな犬で、孤独になることを嫌う犬種です。

確かに狆は無駄吠えがなく、いたずらもしない犬ですので、留守番をさせても静かに待っていることができます。

ただそれは、選択の余地がないからであり、留守番が平気なわけではありません。

狆は繊細な性格の個体が多く、短時間の留守番は平気でも、毎日長時間の留守番が続くことで、分離不安になってしまう場合もあるので注意が必要です。

狆のトイレのしつけ

室内で狆と生活する上で必要なのが、トイレトレーニングですね。

効果的なトイレのしつけ方法をご紹介いたします。

○ 狆がトイレを覚えるまでは、生活は基本的にサークルの中にします。

○サークルの中にはトイレトレー、ベッド、飲み水を置き、トイレトレー以外、空いているスペース全てにトイレシートを敷きます。

狆がトイレをするタイミングは、

  • 寝起き
  • 食後
  • 水を飲んだ後
  • 遊んだ後

になります。

○タイミングを見て、「ワンツー、ワンツー」「1、2、1、2」などの掛け声で、トイレを促します。

掛け声をかけることで、トイレ学習後、トイレをして欲しいときに掛け声をかけるだけで、トイレを促すことができるようになります。』

○トイレトレーとトイレシートを一面に敷くことで、どこでトイレをしても成功となり、褒めることで、狆に自信をつけさせます。

狆は非常に繊細な一面を持っています。褒めることで狆が持つプライドをキープできます。
逆に叱ることは、狆のやる気を失うだけでなく、プライドを傷つけてしまうことになるので、失敗した時は叱らずに無視することです。』

成功したら、トイレシートを減らし、失敗したらまた増やす。

この繰り返しでトレーニングします。

成功させるような状況を作ることで、狆は間違いなくどれがトイレなのかを学習していきます。

失敗が続くと、どれがトイレなのか判断がつかなくなるので、とにかく成功するように仕向けることです。

狆の散歩の仕方と頻度

室内でおっとりと生活する狆には、さほど散歩は必要ないように思われますが、散歩は運動不足を防ぐという目的以外に、外の世界に触れることで、脳が活性化され、認知症予防に繋がり、犬の気分転換にもなります。

アクティブにスポーツをするというタイプの犬ではないので、長距離の散歩は必要ありません。

必要な散歩量:1日1〜2回、1回につき15〜20分くらい

毎日欠かさず散歩をする必要はなく、天候や狆の体調に合わせ、行ける時に体力に無理がないくらいの散歩をするようにしましょう。

狆のお手入れ

狆は基本的にシングルコートとされていますが、最近ではダブルコートの狆もいるようです。

いずれにしろ、抜け毛がゼロという犬種ではないので抜け毛対策が必要になります。

それでは狆のお手入れ方法はどうしたらいいのか見ていきましょう。

狆のお手入れの基本はブラッシング

狆の被毛は絹のように細く長いので、ブラッシングを怠るとすぐ毛玉になってしまいます。

  • スリッカーブラシ
  • ピンブラシ

を使い、優しく被毛を梳かし、仕上げにコームを使い被毛を整えます。

室内で暮らす狆は、家の埃を被毛が吸い込みますので、毛玉防止やアレルギー防止のためにも、毎日のブラッシングをおすすめします。

また、ダブルコートの狆の場合、換毛期は抜け毛が増えますので、まめなブラッシングはなお重要になります。

狆のシャンプーで臭いや抜け毛対策

狆は比較的体臭が少ないといわれる犬種になりますが、やはり動物なのでゼロではありません。

月に1〜2回、皮膚の状態を確認してシャンプーをしてあげましょう。

シャンプーをすることで、体臭対策になるのと、余分な死毛を取り除くことができます。

シャンプーの時に重要なのは、愛犬の皮膚に合った、刺激の少ない自然派のシャンプーを選び、優しく洗い上げることです。

シャンプー後は必ずドライヤーで完全に乾かすようにしましょう。

自然乾燥をさせようと生乾きで放置してしまうと、臭いの原因になります。

狆の耳掃除は必須のお手入れ

狆の耳は垂れ耳になりますので、どうしても通気が悪く、蒸れやすくなります。

そのため、他の犬種に比べ、耳に炎症が起きやすいので、定期的に耳の掃除をすることが大切です。

方法として、

  • 1〜2週間に1回…イヤークリーナーで耳の洗浄をする。
  • 耳の中の毛を抜く…滑り止めでイヤーパウダーを手に塗り手で抜くか、ピンセットなどを活用。できない場合は獣医さんに依頼。

*耳は清潔に保っていないと炎症を起こしてしまう他、臭いの原因にもなります。

狆の歯磨きについて

近年、犬も人同様、口内環境を整えようということが常識になりつつあります。

というのも、歯周病などは口内に留まらず、全身疾患の原因になることがわかってきたからです。

特に、狆のような小型犬の場合、歯が小さく歯間も狭いため、歯周病になりやすいといいます。

子犬のうちから口の中を触ることになれさせ、成犬になる頃には歯磨きを日課にできるようにしましょう。

狆にトリミングは必要!?

狆にトリミングは必須ではありません。

とはいえ、ドッグサロンではトリミング以外にも、マイクロバブルバスやパックなど、様々なオプションがあるので、エステ感覚で愛犬を預けてもいいかもしれません。

また、飼い主さんによっては夏限定で、サマーカットをしてもらう場合もあります。

狆の注意する病気

狆の注意する病気①水頭症

小型犬に多いのが水頭症になります。

ほとんどが先天性になり、稀に後天性の場合があります。

脳室に水が溜まり脳室が拡張し、脳を圧迫してしまい、様々な脳障害を起こします。(意識障害・運動障害・斜視・発作など)

治療は内科治療が主になり、根治ではなく対症療法になります。

狆の注意する病気②アレルギー疾患

アレルギーには様々な種類があり、そのどれもに狆はなりやすい傾向があります。

特に室内で暮らす狆は、ハウスダストなどが原因のことが多いです。

室内をキレイに保つようにする他、狆が皮膚を痒がるような素ぶりを見せたり、湿疹を発見した場合は、早期のうちに病院にかかるようにしましょう。

皮膚疾患は慢性化してしまうと、完治に時間を要します。

狆の注意する病気③眼病

狆のチャームポイントのかわいい大きな目は、眼病になりやすいので注意が必要です。

  • 白内障
  • 角膜炎・結膜炎
  • 眼瞼内反症

などがあります。

眼を執拗に掻いていたり、白目が赤いなどという場合、獣医さんに診てもらうようにしましょう。

狆の価格と入手方法

狆は日本犬でありながらも、日本で飼育されている数は圧倒的に少ないため、ペットショップなどではなかなか出会う機会はありません。

狆を探すには、ブリーダーから譲り受ける方法がほとんどになります。

子犬の価格は、10〜20万くらい。

血筋や毛色などによっては40万くらいになる場合もあります。

狆のさいごに

世界には狆のコミュニティーがあるほど愛されています。

人気の秘密は見た目の可愛さ以外に、飼いやすく、愛らしい人懐こしさにもあるでしょう。

1度飼ったら虜になってしまう狆をあなたのパートナーに迎えませんか?