【動物看護士が解説】犬が骨折した時の症状と応急処置、治療方法について


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犬の骨折した時の症状

歩様がおかしい

骨折した部位が足の場合に多いのが、びっこや足を引きずる、足を挙げて歩くなどといった明らかにおかしい歩き方をします。軽い骨折や、痛みが少ない場合などは足を挙げたまま3本足で走るような元気のある子も中にはいます。

じっと動かない

普段活発に動く子が、じっとして動くのを嫌がることがあります。これは、骨折による痛みから動くことができない場合によく見られる症状の一つです。また、骨折している部位によっては、麻痺を起こす場合もあります。その場合にも動くことができなくなります。

痛がる

骨折をすると、とても強い痛みがあります。そのため、骨折をしている部位やその周辺を触るととても嫌がったり声をあげたり、痛みから攻撃してきたりすることもあります。

腫れ・熱・内出血

骨折をしている部位が腫れ上がることも骨折の症状の一つです。足の骨折は腫れているのが分かりやすいこともあります。そして、その腫れ上がったところは内出血をしていることも多く、熱を持つので触ると骨折しているのが分かることもあります。

変形

骨折をした際の衝撃が強ければ、明らかに骨折をしているのが分かるほど変形をする場合があります。

麻痺

骨折した部位が、脊椎骨だと骨折した場所以下の神経機能の麻痺を引き起こす可能性があります。そうなると、後ろ脚や腰や尻尾などの下半身の麻痺がおこり、自分で排尿や排便が困難になることもあります。

犬の骨折飼い主さんが行う応急処置

骨折をした場合の応急処置としては、固定することが大切です。しかし、間違った固定をすると、犬がとても痛がったり、骨折の悪化につながったりするので注意が必要です。骨折した部位を元に戻そうとするのではなく、そのままの状態を維持して動物病院へ連れていくまで外部からの接触や衝撃を与えないように固定するということが、飼い主さんのできる応急処置となります。

部位によってできる応急処置の仕方を紹介します。

足の骨折

犬の骨折に一番多いのが足の骨折です。足を骨折してしまった場合は、骨折している部位を柔らかいタオルやガーゼでゆるくくるみます。その上から、板や厚紙などで包むように巻き、ひもやテープで動かないように軽く固定します。

背骨や肋骨の骨折

背骨や肋骨の骨折の場合は、体ごと動かないようにして開けなければいけません。動物病院に連れていく際も、板やアイロン台などの平たいものの上に柔らかいタオルなどをのせて、その上に犬を乗せてあげます。そのままひもやタオルなどで固定して骨を動かさないように連れていきましょう。

尻尾の骨折

尻尾の骨折の際は、固定するのがなかなか難しいので、そのまま動物病院へ連れていきましょう。

実際に、骨折をして応急処置をしてこられる飼い主さんは少ないです。これは、飼い主さんはまさか愛犬が骨折をしていると思っている人が少ないからです。もしも、動物病院にすぐ連れて行くことができない場合などは応急処置をしてあげてください。すぐに連れて行ける場合は、できれば負担のかからない体勢で連れ行きましょう。

犬の骨折の治療方法

固定法

骨折が、軽度な場合には外科手術はせずにギプスや副木などを使用して正しい固定をして治療をします。足の骨折でよく行われる治療法です。骨がくっつくまでは骨折の場所や状態、犬の年齢や性格にもよりますが、大体2~3か月で治ることが多いです。

外科手術

手術を行う場合は、ギプスや副木での固定が難しい場合や部位、骨折の状態によって選択されます。金属のピンやプレートなどを使用して直接骨を固定するやり方です。外科手術とはいっても、動物病院によってやり方が様々であったり、長期の入院が必要になったりする場合があります。長期の入院が必要でなくても、定期的に通院が必要な場合もあります。

また、ピンやプレートなどを使用しているので、骨がくっついたのが確認できれば、再び麻酔をかけてそれらをとる処置も必要になります。

犬が骨折したときの費用

犬が骨折した時の費用は、その処置内容や骨折の状態によっても違ってきますが、動物病院によって大きな費用の差があります。

固定法

ギプスや副木をつかった固定で治療ができる場合であれば、比較的安く済みます。しかし、骨折となるとレントゲンの検査は必ず必要になります。また、定期的に通うことや、入院が必要な場合は費用がかさむ場合もあります。

具体的な費用は、1万円以下で収まる場合もありますし、高くても数万円程度で済む場合が多いです。

外科手術

外科手術を行う場合には、固定法よりも費用は高額になります。レントゲン検査に加えて、麻酔をかけるための血液検査などの術前検査や、手術代、また、病院によっては長期入院が必要であれば入院費もかかります。さらに、完治後の麻酔をかけての再処置なども含まれてきます。

具体的な費用は、安く設定している動物病院でも5万円前後~数十万円かかることが多いです。平均的な費用としては、10万円~30万円ほどで設定している動物病院が多いです。

犬を骨折させないために

犬が骨折してしまう原因はなんでしょう。

  • 激しい運動やけんか
  • 高さのある段差からの飛び降り
  • 高いところから落としてしまう
  • 家具や扉で挟んでしまう
  • 交通事故

などが、犬に多い骨折の原因です。これらの原因のほとんどは、飼い主さんが注意してふせぐことができる場合も多いです。愛犬を骨折させないために、飼い主さんが気を付けられることを挙げていきます。

散歩中やドッグランで目を離さない

散歩中やドッグランなどでのノーリードや他の犬がいる環境でのトラブルからくる骨折は多いです。リードをしっかりしていでも、好奇心旺盛な性格の子はつまずいたり挟んだりして骨折してしまうこともあります。また、ノーリードでの飛び出しによる交通事故での骨折や、ドッグランでの他の犬とのけんかや過度なじゃれあいによる骨折もあります。

こうならないためにも、外では目を離さないことが大切です。

家具の配置

小型犬に多い家での骨折の原因は、ソファーやベッド、階段からの飛び降りによる衝撃からくる骨折です。飛び降り癖のある犬がいる家庭では、家具の見直しや配置を変える、高いところから飛び降ろさせないといった工夫が必要です。

犬の存在に注意

これも小型犬の骨折に多いのですが、「後ろから付いてきているのを気が付かなくて扉で足を挟んでしまった」「足元にいるのに気が付かずに踏んでしまった」ということです。大人が小型犬の足や尻尾を踏んだり家具や扉で挟んでしまったりするトラブルもたまにあります。常に愛犬の存在に気を付けて足元を注意する習慣をつけましょう。

抱っこをするときに注意

小型犬や子犬に多い骨折の原因に、抱っこをしていて落としてしまうことによる骨折です。小型犬や子犬が大人の人に抱き上げられると、かなりの高さになります。抱っこをするときは、落とさないように注意をする必要があります。