犬に下痢止めを飲ませる?飲ませない?下痢止めの正しい知識


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犬の下痢止めとは?

下痢止めとは、止瀉薬ともよばれる主に下痢をした場合にその状態を止める役割を持つ薬のことを指すことが一般的です。人でも下痢を起こした時に処方される薬や、薬局でもすぐに手に入る下痢止めの薬の種類も最近多く販売されていて、このような下痢止めの薬を使用したことがある人も多いかと思います。

犬も人と同じく、一般的な下痢を引き起こした場合には、動物病院で処方される下痢止めがあります。下痢止めには種類がいくつかあり、動物病院で処方される場合は、その原因によって適切な下痢止めが処方されます。また、動物用の下痢止めや、人で処方される下痢止めも使用されることもあります。

人では、薬局やドラッグストアなどで手に入るような下痢止めは副作用も少なく、自己判断で使用することもあるかと思います。しかし、犬が下痢を起こした場合には実際に原因がはっきりしていない場合も多く、下痢止めを飲む量も人とはかなり違ってくるため、自己判断で人が飲む下痢止めが家にあったからといって、使用することはおすすめ出来ません。

犬が下痢をする原因

犬が下痢をする原因は、様々です。よくある下痢の原因を挙げて説明していきます。

ストレス

犬にも様々な性格や犬種によっての特徴があります。マイペースで何事にもどっしりと構えられるような性格の子がいれば、神経質で少しの物音や他人や他の犬にも臆病な性格の子もいます。このように、人でもストレスに弱い性格で、そのストレスが体調に悪影響を及ぼす人がいるように、犬にも少しのストレスが体調に出てしまい、下痢を頻繁に起こしてしまう子はいます。

愛犬がこのような神経質な性格の犬であれば、飼い主さんに怒られたり、長時間の留守番であったり、掃除機など家電の音や工事現場などの外からの騒音でもストレスを感じてしまい、下痢を起こしてしまう原因となります。

環境の変化

環境の変化によって下痢を引き起こしてしまうというケースも犬ではよく見られます。

これも、神経質な犬に多くみられますが、普段はストレスを感じにくいという犬でもその環境の変化の内容によっては、下痢を引き起こしてしまうこともあります。

環境の変化というのは、具体的には引っ越し、飼い主さんが赤ちゃんを出産したり、新しいペットを迎えたり、大好きだった飼い主さんや同居していたペットの死などによる家族の変化、ペットホテルなどに預けた場合などで、体調を崩して下痢を引き起こしてしまいます。また、季節の変わり目や温度差が激しい場所などにいることでも、下痢を引き起こしてしまう原因となります。

食餌内容

普段と違うものを与えたり、食餌内容を変えたりした時も下痢を引き起こしてしまうことがあります。

例えば、普段おやつを与えない犬におやつを与えた場合や、人の食べ物を食べた場合、ドッグフードを変更した場合、ドッグフードの質が悪い場合などによく下痢を引き起こしてしまいます。また、散歩中などに拾い食いをして下痢を起こすこともあります。特に体質的なものもあり、胃腸がもともとそんなに強くない犬には、普段与えなれていないものを与えるとすぐに下痢を起こしてしまう子もいます。

病気

下痢を起こす一番のトラブルといえば、消化器系の病気です。軽い胃腸炎から命に関わる重い病気まで下痢という症状は起こります。

病気とはいっても、下痢を引き起こしてしまう病気とは多種多様で、下痢の状態を見ただけではその原因がはっきりとすぐにわかるとは限りません。動物病院で診察や検査を受けてわかる病気もありますが、はっきりとした病名が分からない場合もあります。

下痢を起こす病気でよくある原因は、消化器系の炎症や腫瘍、異物などのトラブル、寄生虫によるもの、ウィルスや細菌感染によるもの、ホルモン系の病気などが挙げられます。

犬の下痢止めの作用

下痢止めの薬の作用には様々なタイプがあります。その下痢の原因や症状によって使い分けることで、下痢を止めることができます。

整腸作用

下痢を起こす原因の一つとして、腸内細菌のバランスが乱れてしまうことがあります。整腸作用は、腸内の善玉菌を増やしたり、腸内細菌のバランスを整えたりする役割があり、ゆるやかに下痢を直してくれる働きがあります。整腸作用を期待して処方される下痢の場合では、ビオフェルミンなどが有名です。

腸内殺菌・腸内静菌作用

下痢止めの腸内の殺菌・静菌作用は、細菌が原因でおこる下痢に効果的です。サルモネラ菌やキャンピロバクター、病原となる様々な大腸菌などに感染することによって起こる場合にその腸内の細菌を殺したり静めたりする役割があります。

腸の蠕動運動調節・腸管内水分調節作用

腸の過剰な働きを抑制するために神経の働きを抑えたり、腸の蠕動運動を抑制し水分の分泌を抑えたりする作用があります。

腸粘膜保護

腸の粘膜の炎症を抑えたり、炎症によって傷ついた腸粘膜を保護したりする役割があります。

犬に下痢止めを使ってはいけない時

下痢止めの薬には、様々な作用をもつ様々な種類の薬があります。しかし、この下痢止めの薬ですが、使わないほうがいい場合の下痢があります。下痢をしているからといって自己判断で使うことによって、下痢の症状が治まらなかったり、病状を悪化させてしまったりする場合もありますので、注意が必要です。

では、犬に下痢止めを使わないほうがいいケースとはどのような場合があるのでしょうか。

細菌性・ウィルス性の下痢の場合

下痢止めの作用の中には、悪い菌を殺したり静めたりする作用はあります。しかし、その細菌の種類や状態によっては下痢止めを使うことによって体外に排出できなくなり、さらに細菌が増加したり症状が悪化したりすることもあります。また、体内で増殖すると命に関わるウィルスもありますので、できるだけ体外に排出したほうがいい場合であれば下痢止めを使わないほうがいいです。

寄生虫が原因の場合

寄生虫は、内部寄生虫といって主に腸内に寄生するものが多いです。この腸内に寄生する寄生虫が原因で起こる下痢の場合も下痢止めを使わないほうがいいでしょう。寄生虫が原因の場合は、抗寄生虫薬を使用し、体外に排出させる必要があります。ここで下痢止めを使用した場合は、腸内で寄生虫が増殖してしまい、症状が悪化する可能性もあります。

急な下痢や発熱や血便を繰り返す場合

急に激しい下痢を引き起こしたり、発熱や血便など他に症状がみられたりする場合は、体が毒素を排出しようとする大切な現象の場合もあります。このように急な場合や他にも急な症状が出ているようであれば、自己判断で下痢止めを使うことはおすすめしません。すぐに動物病院で診てもらい獣医師の指示に従うことが大切です。

まとめ

下痢を引き起こす原因はとても様々です。家に下痢止めを常備薬として置いている場合でもその下痢止めの作用や種類は多種多様です。また、その原因によっては下痢止めを使用してさらに悪化させるおそれもあるので、自己判断で愛犬に使用するのは止めておきましょう。

体質的に消化器が弱かったり、ストレスに弱かったりする愛犬がいてよく下痢を起こす場合は、かかりつけの獣医師と相談して下痢止めを常備して正しく使用しましょう。