獣医師が解説するトイプードルにかかりやすい病気 Vol.6


病院

外耳炎

外耳炎は、一般的に耳の立っていない、耳の中の毛が多い犬種におこりやすいといわれています。
トイプードルもこれにあてはまり外耳炎はおこしやすいです。

病気の定義

急性または慢性の外耳道上皮の炎症を主徴とする疾患です。
特に耳の構造上、通気性の悪い耳であった場合、外耳炎をおこしやすく、またアレルギー疾患のⅠ型としてもおこすことが知られています。
原因として、外耳道に蓄積した耳垢に細菌や酵母が繁殖し耳道粘膜に感染が成立したもの、異物によるもの、耳疥癬などの寄生虫感染によるものなどが挙げられます。
また、飼い主の誤った耳掃除でおこしてしまうこともよくあります。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • よく耳を振る
  • 足を使って、よく耳をかく
  • 耳が赤い
  • 耳がくさい
  • 頭をさわろうとするといやがる、痛い様子

診断

一般的に、問診と耳鏡を使った視診、および耳垢の鏡検などにより診断されます。

治療

原因に応じて、治療も異なりますが、一般的に、蓄積した耳垢はきれいに洗浄して取り除きます。
ただし、炎症がひどく、痛みが強い場合は、この処置が非常にストレスになることもありますので、点耳薬や内服で炎症を抑えてから処置を考慮することもあります。

ポイント

外耳炎は、愛犬にとって非常に不快なもので、悪化すると中耳炎、内耳炎にもなりかねません。
そうなってくると、かなり痛みも伴うので、初期の段階で動物病院に連れて行ってあげてくださいね。

フォン・ヴィルブランド病

トイプードルを含む60犬種以上もの犬種で発生が報告されています。
トイプードルのブリーダーによっては、子犬のころに遺伝子検査をおこなっていたりもします。
この病気は、そんなにも多くみられるものでもありませんが、犬における最も一般的な遺伝性出血性疾患です。

病気の定義

フォン・ヴィルブランド病は、止血の過程で必要な因子であるフォン・ヴィルブランド因子の合成や機能の異常に関連した複合的な遺伝子止血障害です。

症状

無症状であることもあれば、歯が生えるときに異常な出血がみられたり、小さな外傷に対して、不釣り合いな多量の出血がみられたりなど、明らかな出血傾向を呈する場合もあります。
一般的に外科手術や、ある種の外傷での異常出血ではじめて発見されることも多いです。

診断

・頬粘膜出血時間:止血異常があるかどうか予測する簡易的な検査です。

・凝固系検査:PT、APTT検査などでは異常を示しません。

・フォン・ヴィルブランド因子の測定

治療

出血がある場合は、輸血などの処置を行います。
とくに、手術を行った後などは48時間入院管理して、異常な出血がないかを確認する必要があります。

ポイント

この病気の診断がなされた場合、日常生活でも他の犬とのけんかや、ささいな外傷も気をつけるようにしましょう。
日常では、爪切りでの出血も大変なことになりかねませんので、うまくできないような動物病院にお願いした方が無難です。
また、遺伝性疾患のため、繁殖させないように気をつけて下さい。