獣医師が解説するトイプードルにかかりやすい病気 Vol.7


医者

てんかん

プードルを含めて、ビーグル、ダックスフンド、Wコーギー、ジャーマンシェパード、シベリアンハスキー、キースホンド、コッカースパニエル、スプリンガースパニエル、ベルジアン・タービュレン、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ワイアー・ヘアード・フォックス・テリア、ボーダー・コリー、シェトランドシープドッグなどの犬種は遺伝性があるといわれています。
ただし、全ての犬種、雑種においてもおこる可能性ありです。

病気の定義

専門的な定義としては、「頭蓋内疾患など明らかな原因が特定されない再発性の発作症候群で、大脳皮質のニューロンの異常な活動亢進によるもの。
」とされます。
つまり、色々な検査をおこなってもはっきりとした異常所見が認められないにもかかわらず、脳の異常興奮により発作をおこしてしまうという状況です。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

    • 突然何か空中の一点を見つめる
    • 虫もいないのに、虫を追うそぶりをする
    • 特に何ともなしに、片方の足をもちあげる

→このようなあれっと思うような異常な動作がくりかえされる場合は部分発作の可能性があります。

    • バタンと倒れて足をばたばたさせる
    • 体をぎゅーっとこわばらせる

→いわゆる全般発作で、間代けいれん、強直けいれんとよばれるものです。

診断

てんかんの定義でも述べましたように、検査上明らかな異常を示さないものをてんかんと呼ぶので、その他の発作の原因となるような異常がないかの検査を行っていきます。

・問診
発作時の様子は?どのようなとき起こるか?その発作が初回か?そうでなければ、どのくらいの頻度で発作をおこすか?初回時の発作の年齢は?
→てんかんは一般的に5歳以下で発症し、多くは1〜2で初回発作をおこします。

・血液生化学検査
低血糖症、低カルシウム症、急性腎不全、肝性脳症などの代謝性発作を除外します。

・心電図検査
不整脈などのチェック、その他の循環器系異常がないかをチェックします。

・神経学的検査
異常がある場合は、脳腫瘍、水頭症、脳炎、中毒、代謝性疾患の可能性があります。
てんかんの場合は、異常所見がみとめられませんが、例外として、てんかん発作後7〜10日は一時的に検査に異常が出ますので、検査のタイミングには注意が必要です。

・脳波検査、CT、MRI検査
一般的に、大学病院などの二次診療施設で行われる検査です。
てんかん特有の脳波が認められるか、また画像で何か異常所見が得られるかの検査されます。

治療

てんかんと診断されたら、発作の頻度により治療を開始するかどうかが決まってきます。
動物病院によっても若干やり方の違いがありますが、3ヶ月に2回以上発作をおこすようなら、治療をスタートします。

治療としては、内科的に抗てんかん薬の投与が一般的です。
一般的に、70%は抗てんかん薬治療で効果が認められるとされています。
この抗てんかん薬は色々な種類がありますので、獣医師がその症状や経過をみてお薬を選択します。

この薬は、毎日内服するもので、投薬を開始したら発作がおきていないからといって、勝手にやめることはできません。
注意する点としましては、この治療のゴールは、発作を完全に止めることではなく、発作の回数を減らし、程度を軽くするということです。

まとめ

7回に渡って、トイプードルにかかりやすい病気について解説してきました。
トイプードルを愛犬に飼ってらっしゃる方も、トイプードルに興味がある方もぜひ参考にして頂いて、日常のささいな病気のサインをみつける手がかりになれば幸いです。
愛犬と長く楽しく暮らしていくお手伝いができれば何よりと思います。